東京都 後期高齢者 負担8.5%増

24~25年度の医療保険料 広域連合が試算

 東京都内の75歳以上高齢者の後期高齢者医療保険料が2024~25年度、区市町村の一般財源による軽減策を行った場合でも1人当たり11万3774円と今年度に比べ1人当たり8932円(8・5%)増になる試算を都後期高齢者医療広域連合が行っていることが分かりました。

 試算は、75歳以上高齢者の人口が24年度で176万人に増え、医療給付費の伸び率を0・78%として値上げを見込みました。

 加えて、国が子どもの出産育児一時金拡充で財源の一部を75歳以上高齢者にも負担させるとして、高齢者1人当たり640円を保険料に上乗せ。後期高齢者医療制度の財源に占める75歳以上高齢者の負担(保険料)の割合を、制度創設当初比で1・27倍に引き上げる制度改悪を行います。保険料の賦課限度額は現行の66万円を24年度73万円、25年度80万円に引き上げます。

 これにより、区市町村の一般財源による葬祭事業など4項目の特別対策を行った場合でも、加入者一人一人に課される均等割額は24~25年度、4万7700円と今年度比1300円(2・8%)増、所得割率は旧ただし書き所得(所得総額から基礎控除額を引いたもの)58万円以下の場合9・74%と0・25ポイント増となります。

 特別対策を行わない場合は、1人当たりの保険料額は11万9254円と13・7%もの値上げの見通しです。

 今後、国が示す各種係数の確定値を受けて料率案を示し、来年1月末の広域連合議会で決めます。

国・都が財政補完を

 日本共産党の小林憲一・広域連合議会議員(多摩市議)の話 75歳以上という医療費が増える方たちだけを別の医療保険に囲い込む後期高齢者医療制度に、そもそも致命的な制度設計ミスがありますが、さらに制度改悪での負担増は許せません。国や都がきちんと財政補完をすれば、少なくとも保険料を上げなくてすむはずです。今の物価高騰と年金引き下げの中で、保険料を上げるべきではありません。

(「しんぶん赤旗」2023年12月29日付より)