リニア掘削中止を 山添議員ら国交省に迫る

 JR東海が行っているリニア新幹線のトンネル工事が東京都品川区で再び中断している問題で、日本共産党の山添拓参院議員と都議団は27日、掘進再停止への対応について国土交通省の担当者から聞き取りを行いました。関係区市議、沿線住民も参加しました。

リニア新幹線トンネル工事の再中断について国交省の担当者(右)から聞き取りをする山添氏(中央)ら=27日、東京・衆院第1議員会館(しんぶん赤旗提供)

 リニア新幹線トンネル工事では、北品川工区で300メートル分を先行して掘る「調査掘進」を2021年10月に開始したものの、掘削機の故障で中断。今年5月に再開しましたが、直後に約120メートル余の地点で再停止しました。

 山添氏は、岸田文雄首相が所信表明でリニア新幹線の「整備に向けた環境を整える」と述べたことに触れ、「国交省は『JR東海の事業だ』として疑問に答えずにきたが、言い逃れすることは許されない」と指摘しました。

 国交省の担当者は掘進再停止の原因について、「急な曲線区間を掘る際、出た土の圧力で掘削機が最大7センチ内側に変形した」と説明。トンネル内壁になる鉄筋コンクリート製のセグメントが約3センチずれたとしつつ「構造上、問題はない」としました。

 参加者が「掘削の再停止について住民説明会を開くべきだ」と求めたのに対し、国交省は「調査掘進を終えたら本掘進の前に、住民に説明し理解を得る」としたものの、再停止についての説明会には触れませんでした。

 参加者からは「住民は実験台ではない。リニア新幹線は中止すべきだ」と批判の声が上がりました。
(しんぶん赤旗2023年10月28日付より)