都選管判断 社会通念と違う いさ氏が弁論

中野区議選 当選無効取り消し訴訟

4月の東京都中野区議選で日本共産党の、いさ哲郎区議の当選を無効とした都選挙管理委員会の裁決の取り消しを、いさ氏が求めた訴訟の第1回口頭弁論が23日、東京高裁で行われました。

区議選で、いさ氏と0・415票差で落選した次点者(参政党)が、いさ氏の当選無効を訴えたのに対し、都選管は8月、「いさしんいち」と記載された1票を無効として、いさ氏の当選を取り消していました。

いさ氏が提出した準備書面では、有権者が投票する場合に、特定の候補者の氏を記憶していても、名を明確に記憶しないために「実際の候補者名とは異なる名を誤って記載することは十分起こり得る。名だけを切り離して有効投票ではないと判断することは、合理性を欠く」と強調。投票の効力を巡る最高裁判決でも「投票の記載を全体的に考察して判断するのが相当」としていることを示し、いさ氏への投票が有効だと主張しました。

弁論では、いさ氏が陳述し「日本の社会では名字(氏)で呼び合うのが一般的。街頭で『いささん』とは呼ばれても『哲郎さん』と呼ばれたことはなく、都選管の判断は社会通念とは相いれず疑問がある」と訴えました。

次回弁論は11月14日の予定です。

訴訟の判決が確定するまでは、いさ氏は議員としての職務を継続します。

(「しんぶん赤旗」2023年10月25日付より)