ごう音数分おきに

羽田新ルート訴訟 住民が訴え

 都心部を低空飛行する羽田空港新ルートの運用で騒音や落下物の危険が持ち込まれるとして、沿線住民が国に新ルート取り消しを求めた訴訟の口頭弁論が24日、東京地裁で行われました。

羽田空港新ルート訴訟の原告らが開いた集会で報告する弁護団=24日、東京・衆院第2議員会館

 原告2人が意見陳述。渋谷区の男性は2022年3月、区内で飛行機の通過後に氷塊が落下したことに触れ「この場所は外から氷塊を投げ込んで届く距離ではない。頭に当たれば生死の問題になっていた。飛行機はほぼ真上を飛んでいる。人を殺傷する危険がある氷塊が人口密集地に落ちても放置するのは、国家としてあるまじき姿だ」と批判しました。

 品川区の男性は「空路直下に住み、ひんぱんに低空で飛んでくる飛行機には、耐え難いストレスを受けている。低空飛行の時間帯には、数分に1度の割合で飛行機のごう音にさらされ、会話は中断しなければならない。この騒音が数時間にわたり、2~3分ごとに個人の生活にのしかかることを想像してほしい」と訴えました。

 原告弁護団は、羽田空港に離着陸する飛行機が川崎市石油コンビナート上空の飛行を避けるよう定めた国の通知(1970年)について、「相次ぐ重大航空事故を受け、川崎市を挙げてコンビナート上空の飛行禁止を求める運動が実ったもの。上空の飛行を解禁した2019年通知で、市民は航空事故によるコンビナート災害の危険に、恐怖している」とコンビナート上空の飛行禁止を求めました。

(「しんぶん赤旗」2023年10月26日付より)