議員になりました 新人駆ける 綿林夕夏さん

八王子市議(32歳) 障害者施設元職員 寄り添う本質変わらず

 私は知的障害者入所施設で7年間働いていました。慢性的な人員不足が続き、利用者さんに寄り添う支援ができず、心苦しい思いを何度も経験しました。

子ども食堂の前で給食費無償化署名を呼びかける綿林夕夏・八王子市議

存在が希望

 コロナ危機で不安に押しつぶされそうになった時に「命と暮らしが何より大事。医療や福祉にこそ支援を」と真っすぐ訴える日本共産党の議員の存在が希望の光でした。

 利用者さんや一緒にがんばってきた職員たちの声を市政や都政に届け、障害者福祉の現場を良くしたい一心で挑戦しました。職場の仲間も背中を押してくれました。八王子市で障害児の移動支援を実現させた青柳有希子さん(現在は都議)の議席を引き継ぐことができました。

 6月議会の初質問では、福祉作業所におけるコロナ感染対策の支援の充実と、障害児のガイドヘルパーを小学生から使えるようにしてほしいということをテーマに取り上げました。初めての議会対応で右も左もわからない中、声を届けてくださった市民の方や先輩議員と一緒に原稿を作り上げて臨みました。

 傍聴にきてくださった皆さんから「思いがこもっていたよ」と感想をいただいたこともさることながら、さらにうれしかったのが、同じ団地に住む車いすユーザーの方がインターネット中継を見てくださったことでした。

実現する道

 酷暑の7月、8月があっという間に終わり、9月議会を迎えました。一般質問では、ライフテーマにしようと決めている障害者福祉施策に加えて、ジェンダー平等に関するテーマにも挑戦しました。とくに、市の選挙啓発ポスターが男女共同参画推進条例に逆行するという苦情への対応についての質問は非常に苦戦しましたが、苦情を申し出た市民の方の思いをないがしろにしたくない一心で臨みました。

 候補者活動中、自分が市議としてやっていけるのだろうかと不安になった時、誰のために働くのか、誰と一緒に働くのか、その範囲が広くなっただけで、障害者施設の支援員も市議会議員も、本質的には同じだと、自分に言い聞かせていました。実際に市議会議員になってみて、その考えは変わりません。市民の皆さまの願い実現に対し、できない理由を探すのではなく、どうしたら願いをかなえられるか、追求し続ける市議でありたいと思います。

(「しんぶん赤旗」2023年9月17日付より)