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資格、経験反映しない給与

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人手不足の保育を支え

会計年度任用働き方の実態は
 単年度ごとの契約で正規の公務員と同様の仕事を行い、公務員倫理規定が適用される会計年度任用職員。しかし、その処遇は正規職員と差がつけられており、年収200万円というワーキングプアの状況も少なくありません。また、契約更新の上限が設けられている場合もあり、行政の継続性からも問題は山積しています。23区中心部の自治体で働く会計年度任用職員の保育士を取材しました。
 この保育士が働く自治体では「保育補助員」の形で主に加配(障害がある子や配慮を必要とする子どもに対応)などの要員として、会計年度任用職員を採用しています。月16日、1日当たり7時間45分勤務(正規と同じ勤務時間)で、月19万4000円の支給です。ここに経験給や勤続給は加味されていません。早番で午前7時40分から午後4時5分、遅番で午前9時15分から午後6時35分です。延長保育が午後7時40分までなので、短時間勤務など複数の契約形態の会計年度任用職員が保育を支えています。
 一方で保育の現場の人手不足が生じているといいます。都心部ではビルの建設や再開発により家賃高騰の影響を受けて、短時間勤務が可能な近隣住民が減少している現実もあります。
 こうした中で保育士として働く会計年度任用職員が、他の仕事を掛け持ちして働いて生計を維持するということも珍しくはないと言います。
 職務に必要な支給品も自治体によって差が生じています。東京民報の調べで、中央区はエプロン、上履き、外靴などの業務に必要な支給品は、会計年度任用職員には全くありません。文京区では同職員にも靴やエプロン、トレーナーなどの支給品がありました。支給品がない場合は自分で買うために、手取り額が減ります。

保育にも影響が
 あるベテランの会計年度任用職員として働く保育士は「子どもはいろいろな人に触れて育つのが良いんです」と語ります。しかし、「こうした働き方では長く続けられる人がいなくなります。特に男性保育士は定着しにくくなります」と警鐘を鳴らします。
 さらに「正規職員の研修などの出張もある時には人手が足らず、子どもたちに好きなことをさせてあげたいけれど、時間に追われて誘導するような保育になりかねない」と指摘します。急病の子どもを病院に連れて行く時は、正規職員が対応するために保育補助員のはずの会計年度任用職員が担任の代わりを務めなくてはいけない園もあるといいます。園に配置されている看護師や栄養士まで総出で給食の時間を乗り切ることも珍しくはありません。
 正規職員も含めて都心部では職住の距離が遠くなりがちで、体力が必要な保育士は続けられずに、若い職員が増える傾向になるといいます。保育計画を作る時に「経験豊かな先生に意見を聞きたい」と言われることもあると先の保育士は語ります。
 若い正規職員に頼りにされるベテラン保育士でも、会計年度任用職員であるために、あと数年後には新規に試験を受け直さないと雇用は継続されず、採用の保証はありません。慣れ親しんだ子どもたちには雇用形態の事情は関係ありません。
 当事者は「専門教育を受けた保育士の資格が、給与に反映されないままでよいのでしょうか」と訴えます。子どもの育ちや発達を保証する観点でも、会計年度任用職員制度の見直しは喫緊の課題です。




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