まともな話し合いもなく家屋解体か 外環道陥没 住民ら告発

提訴5周年で集会

東京外環道(東京都練馬区―世田谷区)の地下トンネル建設を追及する東京外環道訴訟の提訴5周年を迎えた集会が14日、武蔵野市で開かれました。住民らでつくる「東京外環道訴訟を支える会」が主催しました。

外環道やリニア新幹線問題で取材に取り組むジャーナリストの樫田秀樹さんが講演。「JR東海は外環道の陥没事故を受け『リニア工区には外環道のような特殊な地盤がない』と言ったが、トンネル掘削開始後すぐに止まった。共通の課題を掲げる各地の市民運動が情報を共有し取り組むことが大事」と語りました。

外環道トンネルで地表陥没などの被害を受けた調布市の住民は「建物被害だけでなく、低周波震動で健康被害も受けている。事業者は住民とまともに話し合いもせず、地盤補修のためとしてトンネル直上家屋の解体に着手すると打ち出した」と告発しました。

原告弁護団の武内更一、遠藤憲一両弁護士が訴訟の現状を報告。武内さんは「トンネル工事の一部差し止め仮処分が出ても、事業者は具体的な説明も反論もできていない。住民に補償もせずトンネルを進める大深度法自体、憲法違反だと問うていく」と述べました。

日本共産党から吉良よし子参院議員、里吉ゆみ、曽根はじめ両都議、本間まさよ武蔵野市議が紹介され、吉良氏は「外環道は安全性も担保できず、費用が膨れ上がり不採算だ。中止させ、命と暮らしを守る政治を実現するため頑張る」と表明しました。

(しんぶん赤旗2023年1月15日付より)