無料低額診療の拡大を 都議会 一般質問に福手都議

都議会一般質問には福手ゆう子都議(文京区)が立ち、無料低額診療を実施する医療機関を増やし、都立病院で実施することを求めました。

 福手都議は「お金の心配なく医療を受けられるようにすることは、人としての尊厳を守ること」であり、「人の命や健康に差別や格差があってはならない、これが(医療機関で8年間働いてきた)私の原点だ」とのべました。
 その上で福手都議は「コロナ禍と物価高騰で、これまで何とか生活できていた人たちも食料支援を利用するようになり、『医療費が払えない』『保険証がなくて病院にかかれない』という相談も増えている」と指摘。「経済的な理由で医療にかかれない人がいる状況は、あってはならない」と強調しました。
 無料低額診療とは生活が困難な人たちに、無料もしくは低額で診療を行う事業のこと。同事業を行っている医療機関がない区市町村は都内で36自治体と、全体の約6割を占めています。福手都議は「無料低額診療を行う医療機関を増やしていくことが必要だ」と提起しました。
 小池知事は「無料低額診療事業は、低所得者等に対する医療を確保する上で一定の役割を果たしている」との認識は示しました。

性暴力被害の支援求める

 福手都議は性暴力被害者支援について、相談と医療が1カ所で迅速に受けることが被害者の負担を軽減する上で重要と指摘。被害者支援の充実に向け、ワンストップ支援センターの増設と都立病院への設置を求めました。
 同センターは、24時間365日、性被害者がいつでも相談できる体制がとられ、被害後72時間以内の場合に避妊薬の投与など緊急医療対応が行われます。身体的、心理的な不安の相談を通じて、証拠採取や診察、法的支援など、必要とする機関へつなげる“同行支援”も行います。今年は100件を超えています。
 一方、都内には同センターが一カ所しかありません。福手都議は「全国で一番人が集中する東京で、ワンストップセンターを増やすこと、利用者の利便性が高いところに設置すること、病院拠点型を設置することが必要だ」と強調。公立病院にセンターを設置し、若年被害者への迅速な支援につながった沖縄県の事例を紹介。小児科、産婦人科、精神科などが設置されている大塚病院などに病院拠点型ワンストップセンターの設置、同センターのあり方を考える関係機関や支援団体とともに検討会の設置を提案しました。
 小池知事は「性犯罪被害者の心身の負担を軽減するためには、身体、精神両面からの様々な支援が必要であり、被害直後から関係機関の連携を図り支援している」と答えました。