「公害の根絶と平和を求めて」をスローガンに掲げ、1976年から毎年6月の環境月間に合わせて行われる「全国公害被害者総行動」が8~9日、都内で開かれました。今年は47回目の開催。コロナ禍の影響で2年ぶりとなる決起集会が8日夜に日比谷図書文化館(千代田区)の会場と全国の公害被害者団体をオンラインでつないで開かれ、現地に22団体103人、オンラインでは33カ所から参加がありました。主催は全国47の公害被害団体などでつくる同実行委員会です。

 決起集会では、同日午前中に行われた環境省との交渉について「大阪公害患者の会連合会」の上田敏幸事務局長が報告。交渉の場での山口壯環境相の答弁を振り返り、「評価するところはなかった」と強調。「官僚のつくった答弁書を読むだけで、被害者が訴えているのに声を掛けず、怒りにふるえた」と口調を強めました。

 リレートークでは、イタイイタイ病、東京電力福島第一原発事故、大気汚染、アスベスト、水俣病、有明海の干拓事業漁業、カネミ油症、道路公害、化学兵器、基地問題の被害と闘う団体が壇上で訴えました。
 「いわき市民訴訟」の伊東達也原告団長は、福島第一原発の廃炉や溶解核燃料(デブリ)の取り出しに関し、まったく先が見通せないと状況を語り、「復興、いまだ遠し」と強調。原発事故で避難を強いられた住民らによる約30件の集団訴訟のうち、福島(生業訴訟)、群馬、千葉、愛媛の4訴訟が今月17日に最高裁判所の判決を受け、国の事故責任が問われる局面にあることを語りました。
 「首都圏建設アスベスト訴訟統一本部」の清水謙一事務局長は、前日7日に原告191人が20社超の石綿建材メーカーに対し、全面解決を求めて全国10の地裁に一斉提訴したことにふれ、「被害者はもっと埋もれていると大きくアピールしたい」と述べました。
 今年5月に結成した「第3次新横田基地公害訴訟」の奥村博原告団長は、第2次訴訟を上回る1282人が原告になり、東京地裁立川支部に今月20日、提訴することを報告。裁判ではオスプレイの全面的な飛行差し止め、団らんや睡眠時間帯の騒音規制、将来にわたる損害賠償を求めると決意を示しました。

 同実行委員会の増田重美事務局長が、閉会のあいさつ。「これからも続く交渉に参加し、お互いに支援し、励まし合い、闘っていこう」と呼び掛けました。