雇い止め 半数は博士 大学研究員など 宮本徹氏「大きな損失」

衆院科技特

11大学と理化学研究所で来年3月末に雇用条件の10年で雇い止めとなる非正規研究員のうち、半数以上が博士号取得者であることが政府の答弁で明らかになりました。7日の衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会で、日本共産党の宮本徹議員が質問しました。

労働契約法では、大学や研究機関の非正規研究者は、雇用が10年を超えた場合、本人が希望すれば期間の定めなく働ける無期雇用に転換できます。このため無期雇用への転換前に雇い止めされる恐れが指摘されています。

政府によると、11大学で契約期間の上限を10年以内とし、来年3月末に10年を迎える非正規研究者は1205人いて、そのうち684人が博士の学位を取得しています。

宮本氏は、「優秀な研究者が雇い止めされるのは、日本社会にとって大きな損失だ」と批判。「大臣の文部科学省に対する勧告権限を使って、雇い止めを回避すべきだ」と要求しました。

小林鷹之科学技術政策担当相は「労働契約法の趣旨にのっとった運用がなされるのが重要だ」と述べた上で、「それぞれの特性や事情を踏まえた個別的かつ具体的な対応が求められる」と、大学任せの姿勢に終始しました。

宮本氏は、大学側が65歳まで雇用する財源がないことを理由に雇用を延長しない事例もあることから、その財源を国が担保すべきだと主張しました。

また、理化学研究所では来年3月末に10年の雇用上限となる任期付き研究員は201人いて、博士の学位取得者は161と、8割に及びます。宮本氏は「希望者は無期転換すべきだ」と迫りました。

(「しんぶん赤旗」2022年6月8日付より)