東京五輪 子ども動員1日2万人/吉良氏が撤回迫る

質問する吉良よし子議員=31日、参院決算委(写真提供:しんぶん赤旗)

日本共産党の吉良よし子議員は31日の参院決算委員会で、東京五輪・パラリンピックの観戦に子どもを動員する大会組織委員会の計画をめぐり、競技によっては参加予定者が1日平均2万人超に上ると述べ、新型コロナウイルス感染拡大や熱中症の危険があるとして撤回を迫りました。

吉良氏は、組織委が主導する「学校連携観戦」は全国で最大128万人を動員する計画で、東京都だけで90万人が対象になっていると指摘。「これだけの子どもをコロナ禍に移動させ、会場に集中させるのか。仮に無観客開催となった場合、連携観戦はやめるのか」とただしました。

スポーツ庁の藤江陽子次長は「観客数や感染症対策に関する検討を踏まえ、組織委で検討される」と述べるだけでした。

吉良氏は、「しんぶん赤旗」日曜版の入手した資料をもとに試算すると「国立競技場でのパラ陸上競技の観戦予定者は1日平均127校、2万1798人だ」と告発。会場の最寄り駅が「密」になる可能性や、子どもへの感染力が強い変異株の広がり、熱中症などの危険を指摘し、「観戦でクラスターが起きたら誰が責任をとるのか」と批判しました。

中止を求めるインターネット署名が2・7万人分余集まっていると述べ、「子どもの命と健康を守る立場で、連携観戦は直ちにやめるよう求めるべきだ」と主張。五輪そのものの中止も求めました。

萩生田光一文部科学相は「私が『やめろ』と言う性質のものではない」と背を向けました。

(2021年6月1日付「しんぶん赤旗」より)