病床削減推進は間違い/衆院委で宮本徹氏が「リスト」撤回要求

質問する宮本徹議員=24日、衆院厚労委(写真提供:しんぶん赤旗)

日本共産党の宮本徹議員は24日の衆院厚生労働委員会で、「病床削減推進法案」をめぐって、新型コロナウイルス患者が入院できず命を落とすなどの教訓から、病床削減を進める地域医療構想や公立・公的病院の整理縮小は「間違いだったとはっきりした」と批判しました。

政府は436の公立・公的病院に再編統合や病床削減の検討を迫り、法案には基金を通じて病床削減を加速させる措置を盛り込んでいます。宮本氏は、436病院にはコロナ患者を率先して受け入れた病院が多いと指摘。「危機において感染症医療に特化する担い手になるのが公立・公的病院。合理化ではなく、不採算でも病床は多めに持つべき」だとの保健所長の声を突きつけ、再編を求める436病院のリストの撤回を求めました。

「参考として出した」と弁解した田村憲久厚労相に、宮本氏は「コロナ(拡大)の直前に通知を出して、各病院の病床削減を迫っている」と批判。田村厚労相が「コロナの状況を勘案して(検討結果を)出すようにお願いしている」と答えたのに対しても、「勘案する前に出したリストはまったく間違いだ。撤回するしかない」と厳しく迫りました。

さらに宮本氏は、法案が「過労死ライン」の2倍の年1860時間の時間外労働を医師に認めているとして、「長時間労働を合法化し、容認する方向になる」と批判。「2035年までに年1860時間の特例は是正する。ずっと強要するわけではない」と答えた田村厚労相に、「働き方改革を進めるために医師を増やすべきだ」と強く求めました。

「医師不足13万人」病床削減推進法案参考人が陳述

衆院厚生労働委員会は24日、病床削減推進法案の参考人質疑を行いました。同法案は病床削減した病院に給付金を配る事業が盛り込まれ、財源は全額消費税増税分でまかなうものです。

陳述した医療制度研究会の本田宏副理事長は、新型コロナで医療崩壊に陥った原因について、OECD(経済協力開発機構)平均と比べて13万人の医師が不足していることがあると強調。「医療が崩壊すると経済が崩壊することがわかった。医療は命の安全保障だけでなく、経済の安全保障でもある」と述べました。

城西大学の伊関友伸教授は、436の公立・公的病院の病床削減を求める「再検証要請については凍結すべき」と述べました。

質問に立った日本共産党の宮本徹議員は、地域医療構想と436の公立・公的病院の再編・統合リストについて、コロナの経験をふまえての意見を各参考人に求めました。

伊関氏は、自治体病院について「感染者が増えた時に対応できるのは、診療報酬だけでなく地方財源を組み合わせることができる自治体病院だ」と指摘。遠藤久夫学習院大学教授は「ある程度医療制度に余力をもたせることは必要なことだ」と話しました。

日本医療法人協会の加納繁照会長は「(コロナ患者を)公立病院が受けるシステムは非常に大事だ」と強調。本田氏は「地域医療構想は、ベッド数を減らし医師不足を軽く見せようとしている」と指摘しました。

宮本氏が医師不足について質問すると、加納氏は「一貫して医師不足だ」として、「医師が13方人不足しているというのは病院現場として実感している。需給の再検討が必要だ」と述べました。

(2021年3月25日付「しんぶん赤旗」より)