被害を責めず否定せず/痴漢被害 党都委調査から(下)

痴漢にあった時、「怖くて反応できなかった」「何もできなかった」という回答が半数を占めました。

周囲の反応も「無関心」が多く、「助けてくれた」「声をかけてくれた」は少数です。

被害を誰かに「話そうと思わなかった」が27.7%、「話したかったができなかった」が21.5%です。

話せた人も「忘れろ」「その程度で騒ぐな」と被害を軽視・わい小化されたり、「触られるうちが華」「喜んでいるのでは?」と笑われるなどしています。「すきがあるから」などと逆に責められたという回答も多く、話した相手から性加害を受けたという人までいました。

必要な支援は

どのような支援があれば、ひとりで抱え込まずに状況を伝えてみようと思えるのか?

「否定せず聞いて受け入れてくれるコールセンターのような機関」「寄り添いながら一緒に考えてくれる支援」など、被害を責めず否定せず、話を聞いてくれる場所や人が切実に求められています。同時に「痴漢は性暴力で犯罪との周知徹底が必要」という意見が多く寄せられました。

回答者からは「結果を公表し、対策に生かしてほしい」との強い要望がありました。

党都委ジェンダー平等委員会責任者の池内さおり前衆院議員は「誰にも言えなかった思いがこれほど積み上がっているのだとよくよく自覚できた。加害行為をなくし、被害者を孤立させない。そのためにどんな対策が必要か考え、提案し、ともにこの東京で生きていきたい」と決意を語りました。

政治の役割を

同委員会メンバーの米倉春奈都議は2月25日の都議会で、都としての痴漢被害調査を求めるとともに、相談窓口や支援情報の積極的発信など具体的な対策を提案。最後にこう訴えました。

「知事をはじめ議場の皆さん。都民の皆さん。この社会は長く痴漢の被害実態に正面から向き合わずにきました。東京を誰にとっても安全な都市にするため”痴漢ゼロの東京”を実現しようではありませんか。政治の役割を発揮するとともに、力を合わせて社会的な取り組みにしていくことをよびかけます」

(おわり)

(「しんぶん赤旗」2021年3月6日付より)


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