人権侵害の横行許されない 国立ハンセン病資料館 不当労働行為で申し立て

 国立ハンセン病資料館(東村山市)の委託事業者変更(本年4月)に伴い、同資料館で働く労働組合員である東村山市が職場を追われました。支援する会も結成され、6300人を超える署名も集められています。組合員は東京労働委員会(都労委)に救済の申立てをしてたたかっています。
 同資料館は約90年近くに渡るハンセン病患者・回復者に対する正しい知識の普及啓発による偏見・差別の解消や、回復者とその家族の名誉回復を目的に設置されました。運営は当初より外部委託で入札により委託先を選定、単年度の業務委託契約を締結しています。
 昨年度まで公益財団法人日本財団が4年間受託し、本年度から日本財団の実質的な関係組織である公益財団法人笹川保健財団(笹川財団)が、日本財団の意向を受けて入札に参加し受託・運営をしています。
 資料館職員は受託者が雇用していますが、これまで学芸員や他の職員は受託者の変更時も、それまでと変わらず雇用が維持されてきています。
 しかし、笹川財団は受託を前に、これまでになかった採用試験を実施。国家公務員一般労働組合(国公一般)国立ハンセン病資料館分会組合員を2人不採用として雇い止めになりました。

 国公一般労働組合は10月15日、都労委の調査期日報告集会を開き、「資料館職員有志が関係各所などに、雇い止めされた職員を誹謗中傷するような文書を送付していること」を告発。「資料館を所管する厚生労働省も“誹謗中傷と認識しており、好ましいものではない”として顛末書の提出と厳重注意をした」ことを明らかにしました。
 資料館に残る1人の組合員もコロナを理由にほとんどが在宅勤務となり、出勤しても情報が共有されないと訴えています。
 他方、出勤日数が週2日とのルールを超えている学芸員もおり、資料館では学芸員が不足しているとして募集をしている最中です。
 不採用となった組合員らを職場に戻すため5月、国公一般は、都労委に「不当労働行為救済命令」を申し立てています。
 日本財団、笹川記念財団は不当労働行為を認めていません。
 人権侵害の歴史を伝える場で、人権侵害が繰り返されているのならば早急に解決すべきです。

明らかな組合員排除
代理人 今泉義竜弁護士の話
 資料館の学芸員は単年度契約ですが、18年間に渡り受託者が変更になっても雇用が継続されてきた人らが雇い止めになっています。
 今回、初めて急に採用試験が行われており、実質、3人の組合員のうち2人だけが職場を追われています。委託変更に伴う採用試験など、他にも前例はありません。試験で多面評価するとしながら、一方で2人以外は従来の雇用を維持していることは矛盾です。また他者評価として、同僚が評価することは、雇用主に迎合する者が、そうでない者を排除することも可能になり問題です。
 このようなことがまかり通れば、労働者の権利や人権が守られません。何も言えない人が低賃金で働かされ続けることにつながります。仮に組合員に職務上の問題があるなら、手順を踏んで懲戒処分や解雇という処分を下せばいいだけのことです。
 複数台の監視カメラによる組合員の監視が日本財団時代から笹川記念財団に運営が変わっても行われていることがあきらかになり、組合員排除が明らかです。さらに監視内容の記録には組合員を侮蔑的な呼び名で記しており、職場内で人権侵害が横行していることも看過できません。