国が7月から始めた、新型コロナ禍の影響で売り上げが減った中小業者を支援する「家賃支援給付金」が、必要な業者に届かないケースが相次いでいます。申請を支援する税理士などからは「もっと申請しやすく、早く支給できる制度にしてほしい」と声が上がります。日本共産党の笠井亮衆院議員(衆院経済産業委員、比例東京ブロック選出)は9月23日、中小企業庁に改善を要請しました。

笠井議員ら要請
同給付金の給付件数は16万件で、申請件数49万件に対し、3割にとどまり(9月18日現在)、申請から支給まで時間がかかりすぎると苦情が寄せられています。申請の手続きが複雑になるケースも多く、申請自体をあきらめている業者も多いと見られます。
要請には、地域で業者の相談にのる税理士、東京土建の役員らも参加し、「求められる書類が煩雑で提出が遅れるうえ、再提出を求められることも多い。手続きを簡素化し、支給を早めてほしい」と実情を訴えました。
中小企業庁の担当者は、給付の迅速化や、コールセンターの対応改善について「できる限り努力したい」と答えました。
笠井氏は、「売り上げ減で家賃支払いの見込みが立たないなど、多くの業者がコロナ禍で苦しんでいる。事業の継続を支援するという制度の趣旨に立ち返り、柔軟で迅速な対応が必要だ」と求めました。
尾崎あや子、星見てい子の両都議も同席しました。

「本業大変なのに手間が」
要請に同席した、世田谷税経センターの伊藤貴文税理士は、地域の民主商工会の相談会などで、さまざまな業者から相談を受けています。
「書類をきちんと揃えても、かなりのケースで再提出を求められる。修正の指示もあいまいです。コロナで本業が大変になっている業者が、それ以外のところで手間を取られているのは、本末転倒」と指摘します。
申請で特に重要となるのが、不動産契約が継続していることを証明する書類です。ところが、それが申請の大きなネックに。契約書と支払いの実績が合わない場合が出やすいのです。契約時の大家が亡くなったり、不動産を売却して別の大家に変わっている場合や、家賃が変更されている場合、さらに家賃で大家ともめている場合など、多様なケースがあります。
国は契約書と、支払い金額や大家が違う場合は、大家に追加の書類を書いてもらうなどの対応を求めています。
要請の場で業者の実態を伝えた東京土建目黒支部の山本雅人書記次長は、「大家が高齢だったり、遠くに住んでいたり、さまざまな事情で、必要な書類がそろえられないケースも多くあります。柔軟な対応が必要だ」と強調します。
伊藤税理士は、「不正受給は防がなければいけませんが、チェックにどんな影響があるのかわからないことで、書類の再提出を求められることも多い。持続化給付金でやっているように、軽微なことなら国側で訂正するなど、支払いの実績が確認できれば、迅速に支払えるようにしてほしい」と強調します。