宇都宮氏 命と暮らし守り抜く

都知事選7月5日投票
小池知事 公約違反に口つぐみ

コロナ禍のもと都民の命と暮らしを守る都政の実現が問われる都知事選は18日に告示(7月5日投票)され、選挙戦の火ぶたが切られました。日本弁護士連合会元会長の宇都宮けんじ氏(73)が、市民と幅広い野党の支援で当選を目指します。現職の小池百合子氏(67)は、「都政を変えてほしい」という期待を裏切り続けてきたことには口をつぐんだまま、告示直前にようやく立候補を表明しました。

小池知事の出馬表明の記者会見は、現職としては極めて異例の遅さとなる、告示6日前の12日に開かれました。
「東京大改革2.0(ニテンゼロ)東京の未来は都民と決める」をスローガンに掲げました。
小池知事は4年前の都知事選で、「東京大改革」「都民が決める、都民と進める」を掲げて当選。しかし、改革姿勢は1年ほどで投げ捨て、「7つのゼロ」の公約、「築地は守る」、五輪の経費縮小などの都民との約束も、ほとんど達成せずに裏切ってきました。
記者会見では、こうした公約の未達成についての質問も出されましたが、「都民が採点すること」として、正面から答えませんでした。
コロナ対策については、アメリカの疾病対策センター(CDC)のような「東京版CDC」を創設するとしたものの、具体策は何も触れませんでした。喫緊の課題となっている、感染の有無を調べるPCR検査の拡大、苦境に陥る中小・個人事業主への対策も、具体策は語りませんでした。

社会の流れ変えよう
宇都宮氏は、告示前最後の週末となる13日と14日に都内各地を街頭演説で回りました。14日に新宿駅東口前で開かれた街頭演説には、各分野で市民運動に取り組む人たち、応援する日本共産党、立憲民主党、社民党、緑の党の各党の代表らが駆け付けました。
築地市場移転反対の運動に取り組んできた築地おかみさん会の山口タイさんは、「小池さんが知事になったときは期待をしていたが、この4年間、何をしてくれたのか、疑問ばかりだ。宇都宮さんはいつも私たちの力になって、励ましてくれた。宇都宮さんにクリーンな明るい東京をつくってほしい」と訴えました。
立憲民主党の蓮舫副代表は、「今、求められるのは聞き触りの良い言葉やカタカナ連発ではなく、皆さんの苦しさに本当に届く政策だ」として、宇都宮さんと都政を変えようと呼びかけました。
日本共産党の田村智子副委員長は、「保健所は1994年当時、71カ所あったのが今は31カ所だ。さらに都立病院まで地方独立行政法人化しようとしている」と、感染症への備えを弱体化する都の姿勢を批判しました。
宇都宮さんは、「コロナ危機のなか、経済効率最優先の自己責任社会ではなく、社会的連帯の社会に転換していくことが必要だ」と強調。「都知事選は私にとって3度目の挑戦になる。こういうたたかいの場に三度も立てることは、とても幸せだ。今日駆け付けてくれた市民の皆さん、政党の皆さんと知事選を勝ち抜き、命を守り切る新しい都政をつくりたい」と訴えると、大きな拍手が沸き起こりました。

山本太郎氏が出馬表明
れいわ新選組代表の山本太郎氏(45)は15日、国会内で記者会見し、都知事選への出馬を表明しました。れいわ公認で立候補するとしています。