新型コロナ 感染抑止 “攻め”と“守り”の検査を

都議会予算特別委 白石たみお都議が提起
 都議会は2021年度予算案を審議する予算特別委員会の総括質疑を9、11、12の3日間開きました。同委員会は小池百合子知事も出席し、一問一答形式で行われます。代表総括質疑(9日)には、日本共産党から白石たみお都議が立ち、新型コロナウイルス対策、都立・公社病院の独法化、都心の低空を飛ぶ羽田空港新飛行ルート、夜間定時制高校の存続など、都政の重要課題について、1時間23分(答弁含む)の持ち時間を使って取り上げました。
 白石都議は緊急事態宣言の延長を巡り4都県知事で唯一、東京都だけが都民へのお詫びや反省の言葉がなかったことをパネル(表)で告発。都民に責任を押しつけ、これまでの対策に反省のない小池知事をただすとともに、「これまでの延長線上では感染を抑え込めない」として、従来の枠を超えた検査の抜本的な拡充を提案しました。

 提起したのは、感染多発地域に集中的に検査する“攻めの検査”と、重症化リスクの高い施設で定期的に検査する“守りの検査”を一体で進める戦略的検査です。
 白石都議は「感染者が減りつつある時だからこそ、規模を増やして市中感染を把握し、軽症者や無症状者を早期に発見する必要がある」と指摘。都のモニタリング会議でも半年にわたって検査の戦略が必要との指摘を受け、しかも1日最大6万8000件の検査能力があるのに、「誠実に実行してこなかった責任は重い」と批判。
 その上で川崎重工が開発したコンテナ式全自動PCR検査システムの導入を具体的に提案。吉村憲彦保健福祉局長は「(検査)手法については様々な選択肢は検討している」と答弁しました。

 白石都議は検査数が3月に入り週平均で6千数百件にとどまり、医療機関の一斉・定期的検査も進んでいない実態を明らかにし、「知事が戦略を持って、主体的に推進すべきだ」と主張。初宿和夫・健康危機管理担当局長は「効果的に検査を実施していく」と答えました。
 白石都議が「緊急事態宣言を解除できなかったのは、何が足りなかったのか」と知事にただしたのに、小池知事は答弁に立たず、山手斉総務局長が「全力を尽くして感染防止に取り組んだ。精一杯やった」と開き直りました。

羽田新ルート 国に中止求めよ
 白石都議は都心部を低空飛行する羽田空港の新ルートについて住民から落下物への不安や騒音への苦情が相次いでいることや、アメリカで起こった落下物事故なども示し、「命の問題」だとして中止を迫りました。
 羽田新ルートは、小池知事が「東京が国際競争力をもって持続的な発展を続けていくためには、羽田空港の機能強化を図ることは不可欠」などとして、国と一体となって推進。大井町(品川区)上空では東京タワーより低い約300㍍の超低空を飛行し、2分に1機以上が轟音を響かせて羽田空港に降下していきます。

 飛行機からの落下物の危険性を巡っては、米コロラド州で飛行中のボーイング777型機のエンジンが炎上し、部品の一部が住宅街に落下するという衝撃的な事故(2月20日)が起きたばかりです。
 白石都議は事故機や落下物の写真パネルを示し(写真)、「羽田新ルートでは、このような事故は起きないと断言できるか」と追及。小池知事は質問には答えず、新ルート導入の必要性を繰り返す一方、引き続き国に安全対策の実施を求めるとしただけでした。
 白石都議は、国や都が事故機と同型エンジンを搭載した機体が、新ルートを何便飛んだかも把握していないことを明らかにし、「住民に対する不誠実さが表れている」と批判。那覇(昨年12月)やオランダ(今年2月)で同系列の機体・エンジンの破損・落下物事故が起きていることをあげ、少なくとも同型エンジン搭載機の新ルート飛行の禁止を、国に求めるべきだと迫りました。

苦情訴えの住民 クレイマー扱い
 白石都議は羽田空港の航空機騒音問題で、国交省航空局がパイロット協会に宛てた通知(18年8月)で、騒音の苦情を出した住民を「過敏型」「自己中心型」などに分類し、クレーマー扱いにしていると批判。「国が真摯に住民の声を聞いていると言えるか」と、見解を求めたのに対し、小池知事は「ご意見として伺っておきます」と答弁しただけでした。
 白石都議はさらに、国の「羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会」は都心低空飛行の回避を検討しているのか、羽田への進入12案のうち都心上空を飛ばない案はあるのかと質問。上野雄一技監は「現在の滑走路の使い方が最も効率的と判断された」と新ルートを容認しました。
 白石都議は検討会が「新ルートの廃止はおろか、意味ある見直しを検討するものではないのは明らか。『名ばかり検討会』だ」と厳しく指摘。「事故が起こってからでは遅い。きっぱりと羽田新ルートの中止を求めるべきだ」と訴えました。

かけがえない夜間定時制高校
 1999年度96校あった夜間定時制高校は、石原都政のもと44校に削減され、さらに小池知事のもとでも雪谷、江北の2校の募集が停止され、立川、小山台の2校の廃止も計画されています。
 夜間定時制高校を卒業した白石都議は、自らの体験も交えながら、自分の在籍時より困難を抱えた子どもが増えているとし、定時制ならではの特色を生かした、かけがえのない教育活動について紹介。
 また存続を求める都民運動が広がり、毎年1万人以上の請願署名が都教育委員会に提出されているとし、「知事の決断で守ることができる」と訴えました。
 小池知事は夜間定時制高校について、「きめ細かな指導を行うなど、社会人として自立を促す上で重要な役割を果たしている」との認識を示し、「存続を求めるなど様々な意見があることは承知している」と答えました。