狛江市長の辞職に議会が同意/市長はセクハラ認めず

複数の女性職員にセクハラ行為を行っていた東京都狛江市の高橋都彦(くにひこ)市長(66)が4日、辞職しました。

同日開会した市議会が辞職に同意しました。

高橋氏は本会議に出席せず、「一身上の都合で辞職したい」との退職願が読み上げられただけでした。

開会に先立ち、市長職務代理の水野穰副市長が発言し「市長をめぐる出来事は世間を騒がせ、市への信頼が失墜したことは大変残念。市民からの意見に真摯に向き合い、全力で信頼回復に努める」と述べました。

高橋氏は本会議終了後、市を通じてコメントを発表。「市政をこれ以上混乱させてはいけないと辞職を決意した」などと述べたものの、依然として自身の行為をセクハラと明確には認めませんでした。

市には問題発覚後、今月1日午後5時現在で400件以上の声が寄せられ、その89%が抗議・苦情でした。

高橋氏は今月1日時点で在職していたため、期末手当234万円余が退職金718万円余とともに支払われます。
6月分の給与は日割りで支払われます。

市選挙管理委員会は同日、高橋氏の辞職に伴う市長選を7月15日告示、22日投開票で行うことを決めました。

共産党市議団が声明「市長辞職は世論の力」

東京都狛江市の高橋都彦市長が職員へのセクハラ問題で辞職したことを受け、日本共産党狛江市議団の鈴木えつお幹事長は声明を発表しました。

要旨を紹介します。

遅きに失したとはいえ、辞職は当然です。

3月1日にわが党の西村あつ子議員が市長のセクハラ行為を取り上げて以来3カ月、党市議団は超党派女性議員とともに、市民団体、個人と連携し、議会での追及と、真相解明・再発防止を求めて全力で取り組んできました。

5月22日に4人の女性職員が市長に抗議文を提出し、市長はようやく辞職の意向を固めました。

市長の辞職は、「セクハラは人権侵害であり許さない」という世論と運動がもたらしたものです。

市長は辞職会見で、自らのセクハラ行為について認めず謝罪の姿勢もありませんでした。

高橋氏は責任を認め、職員と市民に真摯に謝罪すべきです。

市として専門家や市民の参加する第三者委員会で問題を検証し、再発防止策を確立すべきです。

市議会の責任も重大です。3月27日にはわが党市議団が市長の辞職勧告決議の動議、生活者ネットワークが百条委員会設置の動議を提出しましたが、自民、公明、無会派の3議員が反対し、審議すらできませんでした。

議会人の役割を果たさなかった会派、議員には厳しい反省が求められます。

7月の市長選では、超党派女性議員や広範な市民とともに新しい市政をめざして全力で頑張る決意です。

(2018年6月5日付「しんぶん赤旗」より)