ボートなど会場 五輪後の利用不明確

質問する吉田都議=22日、都議会委
質問する吉田都議=22日、都議会委

吉田都議が新設見直し迫る

22日に開かれた東京都議会オリンピック・パラリンピック推進対策特別委員会で、日本共産党の吉田信夫都議は、ボート、カヌー会場として新設を計画している海の森水上競技場の後利用計画が不明確だとして、整備計画の見直しを求めました。

同競技場の後利用は、IOC(国際オリンピック委員会)に提出した立候補ファイルでは「将来、都民のレクリエーションの場、憩いの場にもなる」と記載されていましたが、11月19日の同委員会で都側は「国際大会開催可能なボート・カヌー場」と変えました。

吉田氏が、国際大会の開催頻度の見込みをただしたのに対し、都オリンピック・パラリンピック準備局の小室明子・連絡調整担当部長は「日本ボート協会から、全日本選手権など最高峰の競技大会のほか、学生、一般のボート大会を誘致していくと聞いている」と答弁。国際大会開催の見通しは答えられませんでした。日本カヌー連盟については「現在ヒアリング中」として、意向の確認ができていないことを明らかにしました。

吉田氏は、戸田漕(そう)艇場に艇庫や合宿所を持つ都内・首都圏の大学ボート部の多くは海の森水上競技場への移転の意向がないことを指摘。さらに、水門の開閉、揚排水施設の稼働などで高額になると予想される維持管理費について質問しましたが、都側は答えられませんでした。

吉田氏は「後利用の具体的計画、後年度負担も不明確なまま計画をすすめていいのか」と述べ、計画の見直しを求めました。後利用計画案を公表し都民の意見を求めるべきとの質問に、小室部長は「案を公表し、都民の意見をもらう予定」と答えました。

(「しんぶん赤旗」12月24日付より)