JR東海が進めるリニア中央新幹線の大深度地下トンネル工事で、シールドマシン(掘削機)が品川区、町田市内で7月に掘削作業中に停止した問題で、日本共産党の山添拓参院議員、関係する地域の区市議・予定候補は11日、住民らとともに国土交通省の担当者から事実経過やJR東海への対応などについて説明を聞きました。

「異常時の情報開示は前提」
JR東海の発表などによると、北品川工区(品川区、全長9・2キロ)では、7月29日に「掘削機から異音がしたため、掘削を停止し原因を調査中」、小野路工区(町田市、全長12キロ)では7月31日に「掘削機が堅い地盤にかみ込んで停止したが、カッターを細かく動かすなどの対策を取り、掘削を再開した」としています。
掘削作業の停止を巡って国交省担当者は、JR東海が地元住民に公表したのが北品川工区で8月17日、原因については「『現在、調査中のため申し上げる段階にない』とJR東海から聞いている」と説明。小野路工区の掘削停止の公表が8月24日と遅れた要因についての質問に対し、「原因の特定や掘削工事の再開に一定程度の時間を要することが見込まれたため、このタイミングで公表したとJR東海から聞いている」と答えました。
国交省が北品川工区では1週間以上、小野路工区では20日以上経過してからJR東海から報告を受けたことについて、「遅すぎないか」との質問に、担当者は「報告は都度受けている。今回については周辺に影響がない(から)と聞いている」と述べました。
国の指導を求め
他にも参加した議員や住民から質問や要望が相次ぎました。「工事がストップするほどの事故なのに国交省への報告が遅れ、住民にも知らせない。不信を招いている。ただちに報告するよう改めさせてほしい」「国交省は外環道の陥没事故を踏まえ、不安を抱く住民の立場で事業者を指導すべきだ」「もし工事を再開するなら、住民説明会を開いてほしい」など、JR東海への指導を強めるよう求めました。
国交省の担当者は「丁寧、適切な対応をするようJR東海に求める」と繰り返しました。
山添議員は「『掘削停止はよくあることだ』と、原因や対策を住民に知らせないと、次に何か起こってからでは遅い。外環道の陥没事故に類する事態を起こさないためには、工事をやらないことが一番の対策と私たちは考えるが、やるからにはわずかな異常であっても徹底した情報開示は前提だ。国としてきびしく指導を」と求めました。
シールドマシンによる大深度地下トンネル掘削工事では、トラブルが相次いでいます。リニア工事で昨年10月、西品川の路面が約13センチ隆起し、小野路では一昨年10月、民家の敷地に地下水や気泡が噴出。東京外環道の大深度地下トンネル工事では、2020年に調布市で道路陥没が発生し、現場周辺の住民が立ち退くなど重大な影響が出ています。
