山添議員視察し住民と懇談
不安よそに住宅地に建設
都内各地で周辺住民の不安をよそに住宅密集地への大規模データセンター(DC)の建設計画が相次いでいます。日本共産党の山添拓参院議員は22日、小平市で建設計画が進む、あけぼのパン工場跡地を視察し、住民と懇談しました。住民からは不安の声や国の法的規制の動きなどについて質問が寄せられました。

同市へのDC建設計画は、広さ約2万1176平方㍍の工場跡地に、高さ25メートル、延べ床面積4万1000平方メートルの建物が建ち、地下には発電に使う110万リットルの重油を貯蔵する計画です。消費電力は市全世帯分以上の60メガワット。開発事業者は外資系の企業(シンガポール)に変更となり5月に住民説明会が開かれたばかりなのに、工事着工は10月を予定しています。
山添議員は周辺住民でつくる「環境と暮らしを考える会」の竹澤祐美子代表らの案内で、白いフェンスで囲まれた予定地を視察。南北は幅員6メートル、東側は同4・8メートルの生活道路を挟んで低層住宅が広がります。道路もなく直接敷地と接する戸建て住宅もありました。
竹澤さんは、フェンスを境に立ち並ぶ住宅を指しながら、火災や延焼、38本の煙突から出る有害物質、排熱や低周波騒音などの不安を訴えました。
視察後の懇談会には、大勢の住民が参加。日本共産党の三輪博美、ほそや正、鈴木だいちの各市議、無所属の水口かずえ市議も出席しました。
規制ないために
危うい計画生む
山添氏はDCについて「まともな国の規制はなく、法規制がないということが、住民とのトラブルや危うい計画を生んでいる主たる理由だ」と指摘。効率のよい首都圏の街中に造られようとしているが、工場のような定義はなく、どこでも建てようと思えば建てることができるのが現状だと説明しました。
さらに大量に設置されるリチウムバッテリーについて、火災の危険があるのに政府の規制改革推進会議で、大量に設置しやすくする規制緩和の方向を打ち出したと紹介。また大量のエネルギー消費による排熱やCO2の排出など、住環境への影響をいかに規制するかではなく、いかに基幹産業にするかが国政の議論の中心になっていると述べました。
一方、条例によって事業者に対し一定の働きかけをする自治体もあるとし、「小平市も事業者に働きかける余地はある」と指摘。「住民の理解がなければ工事は進められないという姿勢で臨むことが必要だ」と強調しました。10月の工事着工までに住民や住環境を無視した計画をさせないためにやれることはまだあるとし、「計画を地域住民に知らせ、声を上げていくことが大切だ。そのための知恵を一緒に考えたい」と激励しました。
参加した市議があいさつ。三輪市議は「市議会でDCのことを3回取り上げたが、市は法規制がなく事務所や倉庫扱いだとし、貯蔵される重油についても何かあれば消防署に通報するから大丈夫だという姿勢だ」と指摘。「市はゼロカーボンシティー宣言し、2030年度までに規準年度比でCO2排出50%削減を目指すとしているのに、DC建設は逆行するとの追及にも、市は中立の立場を表明し、市民の声に向き合う姿勢にない。引き続き、みなさんの声を市に届け、改善を訴えていきたい」と述べました。
子どもたちには
良い環境が必要
市民からは様々な声が上がりました。保育園を運営する法人理事長の女性は、「予定地の実態は準工業地域というより文教地区に近く、学校が2つ、保育園、幼稚園が合わせて5つ、養護施設もある。これから未来に育つ子どもたちには良い環境が必要なのに、環境権が奪われ、子どもたちがいなくなることを恐れている」と発言。「AI(人工知能)がいくら良くても、それを支える裏側(DCなど)に問題があれば、トイレのない建物と同じ。国の方でしっかり規制してほしい」と訴えました。
行政は法律の範囲でしかものが言えないことは分かるという男性は「ほとんどの住民が計画に納得していない。市は事業者に説明責任を果たすよう強力に求めるべきだ」と述べ、市が住民に寄り添うよう求めました。
医療生協の組合員という女性は「近くの公園で毎朝健康体操をやっていると、2歳児ぐらいの園児が公園に遊びに来るのを見かける。狭い道路を通ってくるので不安になる」と語り、DC完成後に重油などを運ぶ大型車両の通行に懸念を示しました。
新日本婦人の会の会員は「少し離れると知らない人は多いが、市は市有地を相次いで売り出しており、第2、第3のDC問題は起こりうる。どこに住んでいても他人事ではない」と訴えました。
山添議員は法規制がないもとで計画を止めるにはどうすればとの質問に、「規制緩和の流れを許さず、規制をすべきだという流れをつくるために声を上げることが大事だ。まちづくりをどうするのかを考えるのが市の役割であり、地域社会をどうするのかを市民の側から市に働きかけることはできる」と答えました。
