日本共産党都議団は7月21日、都が誘致を検討しているカジノ候補地や、誘致に必要とみられる臨海副都心の諸施設、同予定地を歩いて現地調査しました。カジノ誘致を巡っては都港湾局が三菱総研に委託した調査報告書(2015年)で、IR(カジノを中核とした統合型リゾート)候補地として臨海副都心青海地区を「適地」とし、巨大噴水や大型クルーズ客船が着岸できるバースなど、誘致に必要な諸施設の整備を着々と進めています。カジノ問題に詳しい鳥畑与一・静岡大学名誉教授も同行しました。(長沢宏幸)

強い日差しが照りつけるなか、お台場海浜公園に今年3月から本格オープンした巨大噴水「東京アクアシンフォニー」(港区台場)を最初に視察。平日の日中とあって見学者はまばらでした。
都港湾局職員の説明によると「水の動き、音楽、光が一体となって織りなす世界最大級の噴水ショー」で、噴水の高さは最大150メートル、幅250メートル。ショーは1回10分程度で、開催日には10回ほど行われます。噴水計画は24年9月に小池百合子知事が突然発表し、約26億円をかけて建設。毎年2億円近い維持費がかかります。
この土地に計画した理由について都はフジテレビや森ビル、サントリーなど大企業が名を連ねる「東京臨海副都心まちづくり協議会」からの「賑わい創出」の要望を挙げますが、経過が分かる記録は残されておらず、不透明なまま。一行は「噴水設置にはまちづくり協議会からどのように要望されたのか」などと質問しました。
東京港国際クルーズターミナル(江東区青海)も視察。「クルーズ客船の大型化に対応する」として、税金650億円をかけて35年までに増設(第2バース)を予定しています。小池知事は「大型クルーズ船が2隻同時に着岸できるようになれば、国際都市・東京の魅力がさらに増す」と事業の意義を説明しています。
共産党都議団は1週間に1・5回しか来港しないのに、650億円も投入して増設する必要性はないとしています。一行は都港湾局の職員に、船の入港状況やどこの国が多いかなどを質問していました。
一行はカジノ候補地とされ今は駐車場として使用されている地点(江東区青海)で解散。藤田りょうこ都議は現地調査を終えて「全ての施設が徒歩圏内にあり、巨大噴水設置やクルーズターミナル増設など、カジノ開設を見込んで巨額の投資をしたのではと改めて感じた。ギャンブル依存症で苦しむ人を生み出すカジノで、収益を上げようとするのは言語道断。今後とも厳しく追及し、カジノ誘致を断念させたい」と話し、額にひかる汗を拭っていました。
都庁内で学習会
依存症拡大の恐れ
日本共産党都議団は7月27日、鳥畑与一・静岡大学名誉教授を講師に招き、都が検討するカジノ誘致について学習会を都庁で開きました。他会派の議員やカジノに反対する都民団体も参加。ウェブでも同時配信しました。
鳥畑氏はオンラインカジノが広がりAI(人工知能)が発達するなかで、カジノを巡る世界の状況がまったく変わっていると指摘。「ゲームと賭博の境界が低くなり、ギャンブルが若い人に浸透し、依存症が深刻化している」と強調しました。
都にカジノを誘致した場合の「経済効果」について、「都の税収増と一部の企業はもうかるかもしれないが、もうけを上回る社会的危機コストが発生する。税収増の大半は依存症対策のコストが占める。たくさんの家庭破たんが生まれ、被害者が生まれる。これが本来、東京都が目指す方向なのか問い直さなければならない」と提起しました。
「カジノはいらない!東京連絡会」の高田一宏事務局長は、8月8日に江東区で「カジノはいらない!市民集会」を開くと紹介しました。同連絡会は、IR誘致の検討状況の開示などを都に求める請願2件を都議会に提出しています。
