教育費の無償化に踏み出す自治体が都内で広がっていることが、日本共産党都議団の調査で分かりました。2023年度以降、全62区市町村のうち18区1市が、修学旅行や補助教材の無償化など、何らかの教育無償化に踏み出していました。特徴的だったのが約8割の区が無償化を前進させている一方、多摩地域は1市、島しょ部はゼロでした。この結果を受けて共産党都議団は、全ての子どもの教育を受ける権利を保障するために、都として無償化する条例案を提出します。8日の記者会見で発表しました。


無償化の状況
調査し会見
条例案は区市町村立と都立の小中学校、特別支援学校(小中学部)の修学旅行や宿泊行事、補助教材などを無償化し、入学準備金を児童・生徒1人当たり10万円支給するものです。入学準備金は国・私立学校や外国人学校などの入学者も対象にします。開会中の都議会第2回定例会に提出します。施行は新年度の入学準備に間に合うよう、10月1日としています。
清水とし子都議は会見で、2023年度から学校給食費を無償化する自治体が増え、その後の都の補助実施で全区市町村が無償化を実現したことが教育費無償化の新たな流れを広げたと指摘。その一方で「無償化している自治体のほとんどは区部であり、多摩格差が生じている」とし、「教育費の私費負担を解消し、東京のどこに住んでいても、子どもたちの教育を受ける権利を保障することが求められる」と強調しました。
必要な経費は総額で約500億円を見込むとし、財源については税収増が26年度だけで4560億円、予算規模が18兆円もあり、一部を充てることで十分可能だと説明しました。
修学旅行無償化
12区4村
共産党都議団の調査には、都内の全62区市町村が回答しました。まとめによると、修学旅行(中学校)を無償化しているのは区部では半数を超える12区で、全てが25年度以降に踏み出していました。助成金額は8万円程度でした。島しょ部では4村、多摩地域の無償化はゼロでした。
修学旅行費の一部の費用を補助しているのは、3区19市6町村でした(表)。市部では立川市の1万4000円が最高で、数千円の自治体が少なくありませんでした。
移動教室などの宿泊行事を無償化しているのは、13区1市。うち11区1市が23年度以降の無償化です。千代田、杉並両区は22年度以前から無償にしていました。
補助教材、学用品
11区1町2村
ドリルや資料集、理科実験教材など補助教材費は、11 区が無償化。千代田、港、台東、品川各区では、書道セットやリコーダーなどの学用品も無償化していました(杉並区は14年度から)。
多摩地域では22年度以前から無償化していた奥多摩の1町だけ。島しょ部では22年度以前から実施している利島、御蔵島の2村だけでした。御蔵島村は鉛筆など必要品の全てを支給しています。
入学準備金
4区1町1村
入学準備金を支給しているのは4区で、いずれも23年度以降に開始。多摩地域では市はゼロ、1町1村が23年度以前から制服代支援や入学祝い金3〜10万円を、入学する学校の設置者に関わらず支給していました。
背景に経済的理由
事業実施の目的や背景などを尋ねたところ「修学旅行に行かせたくても行かせられない家庭が一定数ある」「誰一人経済的な理由で参加できない児童生徒が出ないように」など、全ての子どもの教育保障を挙げていました。

