任期満了に伴う杉並区長選(6月21日告示、28日投票)で2期目を目指す岸本聡子区長が4月23日、区内で記者会見し、次期4年で実行する公約となる「杉並NEXT!未来をつくる政策」を発表しました。「この間進めてきた対話による区政を、さらに前に進めていく」と語りました。

岸本区長は4年間の実績について、▽財政健全化や情報公開の前進▽公契約条例による最低賃金を1093円から1500円への引き上げ▽区内25児童館の維持と運営改善の推進▽介護職員・事業者への継続支援▽「住まいは権利」を掲げてセーフティネット住宅を0から26件に拡大、公営住宅に入れない層への転居支援・家賃補助実施―などを紹介しました。
看板公約でもある「対話の区政」について、4年間で44事業、438回、区の47課が関与し、参加者は延べ約1万5000人にのぼるとして、定着、浸透しつつあると強調しました。
岸本区長は、こうした実績を踏まえ、情報公開と対話の区政をさらに前に進めるとし、子ども・教育施策やケア労働者への支援を引き続き重視する方針。主な施策に▽学童クラブ待機児童ゼロ▽中学校教材費や小学校移動教室、中学校スキー教室の無償化など保護者負担の軽減▽当事者参加型の運営など児童館のアップデート▽住まいの権利の前進▽障害者の移動支援拡充▽再エネ・省エネ推進▽区民参画のまちづくり―などを挙げました。
岸本区長は区長選挙のあり方についての考えも説明。「政策で選ぶ」姿勢を強調し、公平・開かれた選挙運動、ハラスメントを許容しない運営、デジタル民主主義の実験的活用を宣言。ネットでの偽情報や資金力により宣伝量が左右されるSNS広告は使わない方針です。
前回選挙と異なり、政党や組織からの推薦は受けないとしています。
デモでの行動は民主主義の基本
岸本区長は政治理念を記者から問われたことに関連して、「平和憲法を守るための緊急アクション」に参加したことに言及。地元杉並区選出(東京8区)の自民党の門寛子衆院議員がインターネット番組で、国会前での市民のデモ活動を「ごっこ遊び」と揶揄(やゆ)したことについて触れ、「市民が自分の考えを表現する上で、これ以上大事なことはない。社会や政治に対して市民が行動するというのは民主主義の基本です」と強調。原水爆禁止署名運動の発祥の地である杉並区の代表者が、デモにそのような評価をしたことは「大変遺憾だ」と述べました。
その上でアメリカとイスラエルによる国際法違反の戦争が起きていることに「戦後最大の危機と言っても過言ではない」と指摘。「区長の責任として経済対策や平和施策はもちろん、政治に責任ある個人として憲法9条の意味や杉並から平和を守っていく強い意志を示していく」と語りました。
区長選には自民党区議で区議会議長を歴任した大和田伸氏(45)らも立候補を表明しています。田中区議を提訴
岸本区長は会見の中で、田中裕太郎区議を昨年12月に東京地裁に提訴したことを明かしました。
区長によると田中区議は交流サイト(SNS)やブログで、「岸本聡子区長の学歴詐称疑惑」と題した投稿を掲載したといいます。
名誉毀損(きそん)に当たる投稿の削除と損害賠償を求めています。訴状は自身のホームページに掲載しています。
