清瀬市で18日、市長選(3月29日投票)で誕生した原田ひろみ市長を市民の力で支えようというタウンミーティングが開かれました。市長選で原田氏を擁立した「市民とともに市政を変えるきよせの会」が開いたもの。新市長と力を合わせ、清瀬市を良くしていこうという熱気に包まれました。

原田氏「声が届く街に」
会場には次々と参加者が訪れ、椅子が追加されて満席となりました。
最初に、市長選を振り返る動画を上映。原田さんが立候補を表明する姿から、図書館を守ってほしいと子どもたちから寄せられた手紙の朗読、当選が決まった直後の事務所の喜びの様子、応援に駆け付けた藤原のりまさ前衆院議員(中道改革連合を離党し無所属)、宮本徹元衆院議員(共産党)のメッセージなどが紹介されました。
会を代表してアニメーション映画監督の有原誠治さんがあいさつ。「原田さんの勝利が、日本に、世界に、希望を与えている。図書館の廃止を止めようという運動から始まり、2年間にわたって積み重ねた取り組みで勝利できた。民主主義を取り戻す運動だった」と振り返り、「主役は市民一人ひとりです。原田さんと一緒に、みんなの力で市政を変えていこう」と呼びかけました。
深刻な職員不足
原田市長があいさつしました。「動画を見て、市民の皆さんが勝ち取った勝利だったと、改めて実感しました。みんなで市政を何とかしたいという思いを、忘れないで取り組んでいきたい」と表明。続けて「なぜ〝忘れないで〞と言ったかというと、市役所で市長室にいると、なんとも言えない孤独感があります」として、市役所の各部の部長は全員男性で、庁議(経営政策会議)も自分以外は男性など、直面している困難も率直に語り「皆さんの顔を思い浮かべて頑張りたい」と語りました。
市長になって2週間で感じていることとして、「職員不足の深刻さを改めて実感している。どの部署も、苦労しながら、市民との信頼関係を築こうと努力している。市民の宝である、市の職員が働きやすい職場をつくっていけるように、取り組んでいきたい」と語りました。
公約した中央図書館の存続を断念したことをなどをめぐり、さまざまな誹謗中傷も寄せられていることに触れ、「共産党員の籍がある市長として、注目を集め、激励とともに、さまざまな中傷もある。立候補の思いを忘れず、前市長に投票した人とも力を合わせて、清瀬を風通しのよい、市民の声がきちんと届く街にするために頑張っていきたい」と決意を語りました。
「四つの壁」が
元狛江市長の矢野裕(ゆたか)さんが、自身の市政運営の体験を講演しました。
矢野さんは、1996年に狛江市長に当選し、4期16年務めました。原田さんと同じく、共産党市議から立候補したことや、少数与党の市議会で市政に臨んだことなど、「私が市長となったときと、さまざまな共通項がある。ぜひ応援したいという思いで駆け付けた」として、狛江市長時代のさまざまなエピソードを交えて語りました。
矢野さんは、原田市政の今後に「四つの壁」というべき困難があることを指摘しました。
一つは、国の悪政という壁です。国民不在の国政が進める政策に反対の立場であっても、市長としては、行政の長として法律化された国の政策には従うしかありません。「市長が悪政に対するさまざまな異議申し立てや、市民のための軽減策をとるにしても、国の政策に従うことが基本となる。それを、運動する市民の側も理解しておく必要がある」と語りました。
二つ目は、財政の困難です。国の地方自治体への補助の削減や、前市長からの負の遺産などの要因があっても、「市長としては、市の財政を改善するために、優先順位をつけて施策を進めることが求められる」と指摘しました。
三つ目が少数与党という困難です。とりわけ、野党側が是々非々で、協力するべきものは協力するという立場ではなく、市長との対決を最優先にしたとき、公約実現を妨げるなど、さまざまな困難が生まれることを強調しました。
四つ目が、市役所内の壁です。「保守政治のもとで昇進してきた幹部職員が多い中で、市長と多数派の市議会野党を天秤にかける意識はどうしても生まれる」と指摘。「私自身も、とりわけ1期目は、次の選挙で市長が保守派の市長に戻ったときに大変になるのでは、と距離を置く幹部職員が多く、非常に苦労した」と振り返りました。
市民との運動で
狛江市では、矢野市政の最初の議会で、野党側は「市長打倒に全力を挙げる」と宣言しました。矢野さんは「良い市政か、悪い市政か見極めるのではなく、何をやっても打倒するという宣言だった。しかし、その後の市議会の動きは、この言葉、そのままだった」と振り返りました。
少数与党のもとで、野党側の要求も一部は飲むなど、議会運営に苦労したにもかかわらず、矢野市長のもとで最初に出した年度予算案は否決されました。
予算案を審議しなおすために、3週間後に臨時議会が開かれるという状況のもと、市民が立ち上がり、予算成立を求めて、24軒あたり1カ所にあたる音を出しての宣伝や、有権者の12・5%分にのぼる署名集めなどに取り組みました。市議会は、こうした市民の動きに押され、否決された予算案を矢野市長が出しなおしたところ、一項目、削除しただけで可決せざるを得なくなりました。
矢野さんは、「市長就任以来、庁舎内の調整と議会への対策に追われていたが、もっと市民に頼って、市民との運動、たたかいをしてこそ、事態は切り開けるんだと理屈抜きで、実感した。私自身、そういう視点が弱かったと反省した」と振り返りました。
矢野市政は、その後、市民への情報公開と、市民との協働を大きな柱に据えて、市政を発展させていきました。矢野さんは、「情報公開と市民参画は、少数与党の市政を前進させるうえでも、切り札になる」と強調。「原田市長が、市民が主人公を大事にして、保守の立場の人とも、政治自体が嫌いだという人とも、一緒に市政をよくしていこうという立場で、まちづくりを進めれば、必ず多数の賛成を得て、今後の困難を乗り越えていけるはずだ」とエールを送りました。
傍聴を呼びかけ
会場からは、今後の図書館をどうしていくかや、前市長が購入した豪華客車「夢空間」の扱いなど、さまざまな質問や要望が出されました。
会の事務局が、今後の取り組みとして、運営委員会を定例化することや、分野別の活動グループをつくること、市議会の傍聴などを提案しました。
最後に司会者が、「(矢野さんの話で)私たちの役割を再確認できた。市民の力で、みんなで知恵を出し、清瀬のまちをよくするために頑張っていこう」と訴えると、参加者が大きな拍手でこたえました。

