歴史に向き合い追悼文送付を 都議会代表質問

里吉氏が迫る

 日本共産党の里吉ゆみ東京都議は9月30日の都議会代表質問で、関東大震災(1923年)時の朝鮮人虐殺に対する追悼文送付を拒んでいる小池百合子知事を批判し、「デマと差別が生んだ虐殺という過ちを二度と繰り返さない誓いを自ら示し、追悼文を送付すべきだ」と迫りました。

 毎年9月1日に行われている朝鮮人虐殺犠牲者の追悼式典に、歴代知事が追悼文を出していましたが、小池知事は就任翌年の2017年から9年連続で追悼文送付を拒否しています。

 里吉氏は、都公文書館に収蔵されている旧陸軍関係資料で、現在の江東区で約200人の朝鮮人が軍に殺害されたことが記録されていると指摘。「記録があることを認めるか」と述べ、今こそ歴史に向き合うよう求めました。

 佐藤智秀都総務局長は、資料が同館に所蔵されていることを認めました。

 里吉氏は、参院選で外国人を攻撃する言説が喧伝(けんでん)されたことを「差別と分断を生み、日本で暮らす外国人を不安に陥れるもので、許されない」と批判。全国知事会も「排他主義、排外主義を否定する」との宣言を全会一致で採択したことを示し、小池知事の見解をただしました。

 小池知事は外国人との共生について「国籍や文化的背景の違いを認め合い、多様性にあふれ調和の取れた真の共生社会の実現を目指す」と答弁。朝鮮人虐殺の追悼文を出さない問題には答えませんでした。

(「しんぶん赤旗」2025年10月2日付より)

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