改定給特法 教員「働かせ放題」温存 吉良議員が反対討論

改定教員給与特別措置法(給特法)が、11日の参院本会議で自民、公明、立憲民主、日本維新の会、国民民主などの賛成多数で可決・成立しました。日本共産党とれいわ新選組などは反対しました。日本共産党の吉良よし子議員は反対討論で、教員の時間外勤務を労働時間と認めない政府に長時間労働はなくせないと批判。「使命感をもって働いている教員の思いを踏みにじり、『働かせ放題』を温存する法案に断固反対する」と強調しました。(反対討論要旨)
吉良氏は、1971年に当時の自民党政府が、公立学校の教員への残業代を不支給とする給特法を制定して以来、教員の労働時間が無定量となったと指摘。小中学校は、毎日平均11時間半労働で、トイレに行く時間もなく、SNSで「もうやめたい」など悲鳴が上がっていると述べました。
改定案は残業代不支給を継続し、教職調整額を4%から段階的に10%に引き上げます。これに対し本田由紀東大教授は、小学校の教員には20・5%、中学校では29%の調整額が必要だと指摘しています。吉良氏は「これに照らせば、10%の引き上げが実態に合わないのは明らかで、適正な処遇改善とは言えない」と批判しました。
吉良氏はさらに、特別支援学校の教員は、給料の調整額を引き下げ、新設される学級担任手当の対象外とすることは特別支援教育の軽視だとして差別的な対応の撤回を求めました。また、新たに導入される「主務教諭」は、教員間に階層と分断を生み、授業負担の軽減も無く、業務を増やすだけだとして容認できないと主張しました。
吉良氏は「持ち帰り残業をしなければならないほど業務が多すぎることが問題だ」と述べ、教員一人の持ちコマ数の削減と基礎定数の改善を求めました。
(「しんぶん赤旗」2025年6月12日付より)