2025都議選 共産党 都政動かした実績 更に前へ

自公都ファが否決も結局実現

 東京都民の暮らしと未来を左右する都議選(13日告示、22日投票)まであと5日に迫りました。過去3回の都議選(2013年、17年、21年)で日本共産党は連続勝利し、現在19議席、野党第1党です。国会の議席になおせば100議席にもなる力を生かし、都民の要求を聞き、他の野党も結束するなか、自民党、都民ファーストの会、公明党の反対してきた課題も次々と実現し、都政を動かしてきました。日本共産党が提案すれば都政が動く―。その実績と、都政転換の方向をみていきます。

水道料金値下げ 20年から繰り返し求める

小池百合子知事(前列中央右)に予算要望書を手渡す日本共産党都議団=2024年12月23日、都庁(しんぶん赤旗提供)

 都は5月20日に水道料金の負担軽減策を発表しました。夏場の4カ月間、基本料をゼロにするものです。

 水道料金の負担軽減は、共産党が最近では20年からくり返し求めてきたものです。コロナ禍がはじまった20年3月の都議会で、大山とも子都議(新宿区)は「上下水道料金などの緊急減免」を提起しました。22年末の代表質問では、上下水道いずれかの減免を行っている自治体が広がっていることを示して、負担軽減に踏み出すことを要求。昨年12月の「予算編成に対する提案要求」(25年度)でも取り上げています。今年3月25日の予算特別委員会では和泉なおみ都議(葛飾区)が、物価対策として「都が自らの責任でできることに水道料金の負担軽減がある」と指摘。財源も示して水道料金の10%(消費税分)引き下げを迫っています。

 今回の都の水道料金負担軽減については、なんと都の発表前日に自都ファ公が要望書を提出し、まるで自らの手柄のように言っています。

 フリーアナウンサーの古舘伊知郎氏は配信動画で、都の水道料金負担軽減策に関して「今からでも遅くないから、(小池百合子知事は)共産党さんの意見がすばらしいのでこれを取り入れさせていただきますって言うしかないでしょう」と述べています。

 3日の都議会の代表質問で原純子都議(江戸川区)は、基本料金無償化期間の延長とともに、水道料金全体の10%の引き下げを主張しました。

学校給食無償化 17年から4回の条例提案

 学校給食無償化も共産党がくり返し求めてきたものです。17年から4回にわたって条例を提案しています。さらに国会議員団とも連携。吉良よし子参院議員が18年の国会質問で、文部科学相から“自治体が全額補助することは否定されない”との答弁を引き出しました。

 これを力にして共産党都議団は23年12月、野党4会派共同で条例を提案。同提案は、自都ファ公の反対で否決されますが、結局、都は24年度から無償化に踏み出すのです。都民が諦めずに声を上げ続け、共産党都議団も議会で提起し続け、いま、都内の全自治体で無償化が実現しています。

 共産党は、さらに教育の無償化を前進させたいと考えています。修学旅行、制服、学用品、通学定期の無償化を公約に掲げ、実現に力を尽くします。

シルバーパス・補聴器購入助成 都民とともに運動し論戦

 70歳以上の人が公共交通機関を定額で利用できる「シルバーパス」は、2万510円のものが25年10月から4割値下げとなり、1万2000円になります。共産党は17年以降だけで、5回条例を提案してきました。24年12月の条例案は、自都ファ公の反対で否決されましたが、都議会の3分の1の議員が賛成。これが決定打となり、4割値下げが実現したのです。

 「シルバーパス」はもともと無料でした。00年に自公の賛成で全面有料化されました。共産党は無料に戻すとともに、乗車できる交通機関を増やし、もっと便利にしたいと考えています。

 補聴器を購入する時の助成条例案も、共産党は21年、23年に提出してきましたが、これも自公都ファの反対で否決されています。しかし、粘り強い論戦と都民の世論と運動で、24年度から補助制度の充実が実現し、25年度には予算が増額されています。

 都民の要求を聞き、共産党が都議会で提案した条例に対する各党の姿勢をぜひ見てください(表)。暮らし優先の政治を進めようとする政党はいったいどこなのか、都民要求の実現を妨害してきたのはどこの党なのか、はっきりしています。

新たな課題 都民と連携し挑戦

 今回の都議選後、都民のみなさんと一緒に共産党は三つの新たな課題にチャレンジしたいと考えています。

■賃上げ

 一つは、都政として賃上げにとりくむことです。

 「お米の値段が昨年の倍」「買い物に行くのが怖い」という切実な声が、共産党の要求対話アンケートに寄せられています。物価上昇がとまらず、実質賃金は3年連続マイナスです。

 国政で共産党は、最低賃金の引き上げを求めていますが、都としても賃上げ支援に踏み出す時です。共産党は、賃上げをした中小企業に1人あたり12万円を支援する「賃上げ応援助成金」の創設を提案しています。岩手、徳島、群馬の各県などで実施しており、都にできない理由はありません。

 都が発注する仕事で働く人の待遇を改善する「公契約条例」の制定に取り組みます。都が発注する公契約は年1兆7500億円。公契約で賃金が上がれば、大きな波及効果があります。公契約条例はすでに世田谷区などが制定しています。

■福祉支援

 二つ目は、国の福祉切り捨て政策から、都民を守る防波堤となる都政に転換することです。

 いま、東京の医療と介護が危機です。国が報酬を抑えるなかで、医療機関や介護事業所の経営困難が広がっています。都病院協会の調査では、一般病院の過半数が赤字。医療機関の閉鎖が相次ぎ、医療従事者の賃下げが余儀なくされ、退職者が続出しています。介護も、訪問介護報酬が引き下げられるなかで、事業所閉鎖が相次ぎ、人手不足も深刻化しています。

 こうした事態のなか、共産党が求め続けた民間病院への支援が、25年度予算で初めて321億円計上(1~3年の臨時措置)されました。これを継続的な制度に発展させ、内容もさらに充実させます。都は、介護、福祉事業所への緊急支援も実施すべきです。

 国民健康保険料(税)と後期高齢者医療保険料を1人3万円引き下げ、18歳未満はゼロ円にするためにとりくみます。

■家賃補助

 三つ目は、「稼ぐ東京」から、「住み続けられる東京」へ転換します。

 東京の住宅価格が高騰しています。都の新築マンションは平均1億円を超え、家賃(マンション、50平方メートル~70平方メートル)も、この10年間で、東京23区は1・4倍、多摩地域でも1・3倍に上昇しています。共産党の住宅アンケートには“子どもに部屋を用意するために引っ越したいけれど、家賃が高くてできない”などの悲痛な声が寄せられています。普通に働く人が住み続けることができない東京になってしまっています。

 これは自然現象ではありません。「稼ぐ東京」のかけ声で、国と都が規制緩和で大規模開発を進めてきたからです。

 共産党は、100万世帯に月1万円の家賃補助、都独自に固定資産税を軽減すこと、家賃を抑えた公共住宅と都営住宅を大規模につくることを訴えます。住宅価格をつりあげている再開発と投機を規制します。

(「しんぶん赤旗」2025年6月8日付より)

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