外環道工事 鹿島JVが住民監視 NEXCO東 一部認める

「しんぶん赤旗」日曜版報道

 東京外かく環状道路(外環道)の関連工事で、大手ゼネコン鹿島建設を幹事社とする共同事業体(JV)関係者が地域住民を監視し、盗撮していたことが「しんぶん赤旗」日曜版(10日・17日合併号)で明らかになりました。発注者の東日本高速道路(NEXCO東日本)が14日、参院議員会館で日本共産党国会議員らの聞き取りに対し、JVからの報告として「一部のやりとりが赤旗の報道内容と一致している」と述べ、認めざるを得ませんでした。

聞き取りに応じる東日本高速道路(NEXCO東日本)(手前右の2人)と、国交省(同左の2人)の担当者=14日、参院議員会館

 聞き取りには山添拓参院議員と吉良よし子参院議員、青柳有希子都議のほか、現場の住民十数人や支援者らも参加しました。

 事業主体である国交省も出席しましたが、議員から「監視や盗撮は不法行為責任を問われかねない」と繰り返し指摘されても「JVからの報告は受けていない」などの回答に終始しました。国交省、NEXCO東ともに謝罪はしませんでした。

 監視・盗撮が行われていたのは東京都調布市内の地盤補修工事現場付近。鹿島JVは2020年10月に同市の住宅地で陥没事故を起こし、住民から工事への不安や疑問の声が上がっていました。

 鹿島JV関係者らは、工事に反対する住民の行動を逐一、グループチャットで共有。住民の氏名や接触したマスコミの社名のほか、「娘様が、お二階に」「家の中では薄着」などと住民の自宅内の様子も投稿していました。

 この問題で鹿島建設は13日、文書で「チャットの中で、お住まいの方に対する礼節を欠いた不適切な表現を用いて」いたと謝罪。ただし、一連の行為について「安全確保のため」であり「監視・盗撮を目的とするものではない」としています。

(「しんぶん赤旗」2024年3月15日付より)