対話と参加、さらに前に杉並区 岸本区長誕生1周年で集会

 杉並区の岸本聡子区長が誕生して7月で1周年を迎えたのを機に、岸本氏の後援会「ソシアル サトコズ」は7月30日、成果や課題を共有する集会「杉並区は止まらない みんなで前へ!」を区内で開きました。オンラインも含め、500人以上が参加しました。

 岸本氏は、スライドも使って、▽オープンで透明性の高い区政▽住民参加の仕組みづくり▽区民の暮らしや命と健康を守る施策の拡充▽子育て支援▽人権と多様性、働く人の権利を守る―など、この1年、重視して取り組んできた課題を紹介。
 区民との対話集会「聴っくオフ・ミーティング」の年10回開催や、まちづくりの中で道路問題を考える対話集会「さとことブレスト」の実施など、住民参画の仕組みづくりを進めてきた成果について、「区民から聞いた話が区役所の議論のベースになっている。幹部職員が区民の生の声を聞いて課題を受け止めている」と手応えを強調しました。
 今後も「対話と参加のまちづくり」に力を入れていくとし、道路拡幅など前区政が決めた計画に関連して、「決まったことだからと進めるのではなく、住民も職員も当該地域に住んでいない人も参加するデザイン会議へと発展させたい」と、意欲を語りました
 岸本氏はまた、1年の成果として▽記者会見へのフリーランスの参加とライブ配信▽区長専用車の廃止▽中小企業へ光熱費値上げ分の支援▽高齢者の補聴器購入費助成▽妊産婦検診を1回から4回に拡充▽公立小中学校の給食費無償化(9月議会に提案)▽生活保護の扶養照会を希望者のみに▽子どもの権利条例制定に向けた審議会設置▽パートナーシップ制度などを規定した性の多様性条例―などを挙げました。
 4月の区議選で投票率を上げようと、一人で街宣に立ってアピールしたことを紹介。投票率は区全体で前回より4・19?、中でも30代女性は9?もアップしたことを紹介。会場から拍手が湧きました。
 さらに今後の政策課題として、参加型予算のモデル実施や無作為で選ばれた区民による「気候区民会議(仮称)」の年度内実施、家賃助成制度の来年度実施に向けた検討などをあげました。

「やったね杉並区」区民が変化を討論
 岸本区政の1年を区民と振り返るパネルディスカッションが行われました。
 登壇した4人の区民は「区はカウンター越しに相対する関係から、一緒に議論を交わす関係に変わった。区長と職員もチームとして動き出していると感じる」「当事者にとって(性の多様性)条例ができた意味は大きい。自分が生き誰かを大切にしていることを肯定されるようになった。やったね杉並区という感じです」など、実感する区政の変化について喜びとともに語りました。
 後援会の内田聖子事務局長は「一人ひとりが、自治と民主主義を地域で進める主役になろう」と呼びかけました。昨年6月の区長選で岸本氏を支援した日本共産党、生活者ネットの区議と立憲民主党の吉田はるみ衆院議員が登壇し、紹介されました。
 集会ではまた、スペインのバルセロナ市が2020年に発表した気候危機への政策集を後援会が翻訳した冊子『これは訓練ではない―気候緊急事態宣言』を公表しました。