都議会第1回定例会は3月24日、過去最大となる東京都の2023年度予算案(一般会計8兆410億円)を自民党、都民ファーストの会、公明党、立憲民主党の賛成多数で可決しました。日本共産党は一般会計予算案に反対し、予算特別委員会に予算組み替え動議を提出しました。また、知事提出の112議案(全て可決)のうち、16議案に反対、5会派共同提案の英語スピーキングテストの予算の削除の修正案に賛成しました。

一般会計予算可決 共産党は反対
 討論で共産党のあぜ上三和子都議(江東区選出)は、物価高騰などで都民の暮らしと営業は深刻な一方、一部の大企業、富裕層は莫大な利益をあげていると指摘。「巨大な都の財政力を都民の暮らしと営業を守り抜くために使うかどうかが問われた」と述べました。
 予算案について、18歳以下への月5000円の給付など、子ども・子育て支援の拡充は重要とする一方、「予算案の全体は都民に寄り添うものとなっていない」と強調。教育施策では経済界が求める「人材育成」が重視され、IRカジノの調査費は10年連続計上、陥没事故を起こした外環道工事などの大型道路建設予算は1000億円を超えていると指摘しました。
 一方、高齢者福祉予算は減額され、都営住宅の新規建設は24年間連続ゼロ、障害者の福祉手当は27年間1円も上がっていないと批判。「住民福祉の増進を基本的責務とする地方自治体本来のあり方に立ち返ることを求める」と主張しました。
 その上で、コロナ対策の継続・拡充、独法化した都立病院を直営に戻す、英語スピーキングテストの中止、東京五輪談合事件の第三者調査、神宮外苑再開発の認可取り消し、朝鮮学校への補助金復活などを求めました。

予算案に組み替え動議
 日本共産党が提出した予算組み替え案は、予算を都民に寄り添うものにするとして、中学校英語スピーキングテスト、カジノ調査など、不要不急の65項目を見直し、区市町村立の小中学校と都立学校の学校給食費の無償化、多摩・島しょ地域を含め都内全域で18歳までの医療費完全無料化、聞こえの支援の推進へ補聴器購入費補助制度の創設のほか、国民健康保険の子どもの均等割の無料化、都営住宅5000戸の新規建設、3000円のシルバーパスの新設など、109項目を拡充します。一般会計予算のわずか3・5%で実現できます。
 組み替え案は反対多数で否決されました。

給食無償化を求めて請願
 都議会では都民の切実な願いが込められた請願が審議され、各党の対応が注目されました。本会議では小中学校の学校給食費の無償化を求める請願、子ども医療費助成の拡充を求める請願、神宮外苑再開発の見直しを求める請願などが、自民、都ファ、公明などの反対多数で不採択になりました。