公平公正な入試に スピーキングテスト反対 保護者ら宣伝

 東京都教育委員会が教育産業大手のベネッセに委託して行った中学生英語スピーキングテストを、都立高校入試に活用しないよう求めて16日、保護者や中高教員など約30人が新宿駅地下で宣伝しました。

 同テストは結果通知後に機器不良による採点ミスが発覚。採点し直した結果、8人の点数と6人の入試換算点が上がりました。

 都立高校教員の伏見忠さん(65)は公平公正な入試への努力を紹介。「前半と後半を同じ問題で隣の教室にし、解答音声が丸聞こえだと知ってびっくりした。なぜ生徒の人権を優先しないのか」と反省しない都教委の姿勢を批判しました。

 受験生の母親は「前半組と後半組がトイレで会い、問題を教えることもできた。最悪な環境で、不公平なテストが続くことをやめさせたい」と訴えました。

 都教委がテストについて報告した14日の都議会文教委員会では、都民ファースト所属の伊藤ゆう議員が日本共産党のとや英津子、青柳有希子議員を含む4人の質疑中、7時間にわたりヤジを飛ばし、審議を妨害しました。

 傍聴した受験生の母親は「女性都議にだけヤジを飛ばすハラスメントで、貴重な時間を奪った」と抗議しました。

 超党派の都議会議員連盟のメンバーが発言。日本共産党のとや、斉藤まりこ、里吉ゆみ、清水とし子、原のり子、福手ゆう子の各都議が参加しました。

 「入試改革を考える会」(大内裕和代表)は同日、都庁内で会見し、音漏れの実証実験実施について回答のない都教委を批判。採点ミス発見の経緯説明と、テストの入試利用中止を訴えました。

(しんぶん赤旗2023年2月18日付より)