最大震度7の首都直下地震 都防災会議 都内死者6100人超想定

この記事は約2分で読めます。

区部6割で震度6強超 建物被害19万棟

 東京都防災会議は25日、マグニチュード(M)7級の首都直下地震が起きた場合、都内で最大約6100人以上の死者、建物被害約19万棟が生じるとの被害想定を公表しました。都は「建物の不燃化・耐震化が進んだ」として、前回2012年の想定(死者9641人、建物被害30万棟)を下方修正しました。

新たな想定は、都心南部直下(M7・3)、多摩東部直下(M7・3)、立川断層帯(M7・4)などの直下地震に加え、南海トラフ巨大地震(M9級)などM8~9級の海溝型地震を想定。計5種類の地震モデルを使い、時間帯ごとに被害を算出しました。

最も被害が大きかったのは都心南部を震源とするM7・3の直下地震が冬の夕方に発生するケース。最大震度7、区部の約6割で震度6強以上となり、死者6148人、負傷者9万3435人、建物被害19万4431棟、避難者299万人、帰宅困難者453万人になると推計しました。

被害想定ではまた、地震発生時に広範囲で停電や上水道の断水、通信障害が生じ、空調やトイレが使えない事態が長期化する可能性を指摘しました。

津波については、南海トラフ巨大地震の場合、区部では江東区などで最大2・63メートル、島しょでは式根島(新島村)で最大28メートルとなると想定しました。

日本共産党都議団は22年度予算要望で、数値化できない被害も含めた想定を行い、自己責任偏重の震災対策を見直し、住宅不燃・耐震化や感震ブレーカー設置などの助成を大幅に拡充するよう都に求めています。

(「しんぶん赤旗」2022年5月26日付より)