開示期限延長を停止 東京都 共産党都議団の批判受け

謝罪・訂正なし

東京都が公文書開示請求に対して、情報公開条例で定められた期限を過ぎても開示決定していなかった問題で、都総務局は10月31日、「11月1日以降、当面の間この通知による取り扱いを停止する」と通知しました。

都は昨年4月、新型コロナウイルスの緊急事態宣言を理由に、60日までの開示期間延長を複数回行えるとの課長名の通知を庁内に出していました。日本共産党都議団が記者会見で条例違反を告発したのを受け、対応を改めざるを得なくなったものです。

都情報公開条例は、開示請求日から14日以内、やむを得ない場合でも60日を限度に開示決定するよう都に義務付けています。

しかし、共産党都議団が7月13日に行った開示請求に対して、小池百合子知事は開示決定を2回にわたって延長し、条例が限度としている60日をはるかに超える118日間まで延長していました。10月26日の都議会各会計決算特別委員会分科会では、同様の期限延長を行った事例が128件あることが、共産党の池川友一都議の質問で明らかになっていました。

共産党都議団の和泉なおみ幹事長は通知を受けて談話を発表。11月1日以降、条例の規定を超える開示期限延長ができなくなるのは重要としつつ、「都は謝罪も訂正もしていない。都がきちんとした総括を行い、再発防止の教訓を明らかにし、条例の適切な運用を進めるよう求める」と指摘しました。

 

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談話要旨

都情報公開条例が開示危険の延長は請求の日から60日を限度としているにも関わらず、都は新型コロナ緊急事態宣言発令を理由に、期間延長を「複数回行える」とする条例違反の対応を、2020年4月から2年7か月にわたり続けていきました。わが党はこれを厳しく批判してきました。

都はようやくこの対応を「当面の間」「停止する」としました。これによって、条例の規定を超える開示期限延長が11月1日以降できなくなるのは重要です。

しかし、まだ多くの問題が残されています。

都議会の質疑で「できない」はずの開示期限延長の事例が128件にも及ぶことが明らかになりましたが、都は謝罪も訂正もせず、20年4月以来の対応は「条例違反ではない」と言い張っています。これでは、再び条例違反が繰り返される恐れがあります。

また、是正を求める共産党都議団の申し入れを黒沼靖副知事が「見解が違うため受け取れない」と拒否した問題も解決されていません。

開示期限を守ることをはじめ情報公開条例の運用は、極めて重要な問題です。あいまいに済ませることはできません。

共産党都議団は引き続き、都がきちんとした総括を行い、再発防止の教訓を明らかにし、条例の適切な運用を進めるよう厳しく求めます。

 

(しんぶん赤旗2022年11月2日付より)