都議会は7日に小池百合子知事の所信表明に対する各派代表質問、8日に一般質問を行いました。日本共産党からは、代表質問に藤田りょうこ(大田区選出)、一般質問に池川友一都議(町田市選出)が立ちました。

横田基地強化
 「国連憲章に基づく団結で、一刻も早く戦争を終わらせることを心から呼びかけます」。藤田都議がこう呼びかけた上で最初に取り上げたのは、ロシアのウクライナ侵略を巡って、「軍事対軍事の悪循環や基地の強化を招く重大な問題」についてです。米軍横田基地を抱える首都・東京にとって、平和と安全に直結する課題です。
 5月の日米首脳共同声明で軍事同盟の強化が表明され、すでに全国各地で米軍基地の強化が進んでいます。横田基地(福生市など)では、特殊作戦機オスプレイの配備増強や、アジア・太平洋地域で最大規模となる米軍の南西諸島への緊急展開を想定した実践的訓練が5月に実施されました。横田基地のC130輸送機の燃料タンクを増強し、最前線に送ることを想定し、そのための大量燃料保管施設の増設工事も契約済みです。
 藤田都議は、こうした事実を示し「横田基地は今、最前線直結の基地に変貌している」と強調。米軍による危険な訓練と基地強化の中止、不平等な日米地位協定見直しへの行動を求めました。
 またロシアのプーチン大統領による核兵器の威嚇は許されないとして、都が「非核平和都市宣言」を行い、核兵器禁止条約の批准を政府に求めるべきだと要求。戦争の惨禍を伝え、平和の大切さを発信する都平和祈念館(仮称)の建設に踏み出し、収集した空襲体験者の証言ビデオや資料を広く公開し、常設展示につなげるよう提案しました。
 小池知事は、安保体制は「我が国のみならず、地域の平和、安定のために重要な役割を果たしている」と表明。非核平和都市宣言について「国の安全保障に関わる問題」だとして拒否。平和祈念館建設については「都議会での一定の審議と合意が必要」と述べただけでした。横山英樹生活文化スポーツ局長は、空襲関連資料の公開について「資料のデジタル化に着手し、より広く活用する」と答弁しました。

物価高騰
 藤田都議は家計と経済の危機をもたらしたのが新型コロナとロシアのウクライナ侵略のせいだけでなく、異常な金融緩和で円安を引き起こしたアベノミクスと、自己責任を押しつけ格差を拡大した新自由主義の失敗だと指摘。暮らしと営業を守るため、消費税減税や最低賃金1500円への引き上げなどを政府に働きかけるとともに、賃金条項を持つ公契約条例の制定を提起しました。
 生活破壊が進むもとで「暮らしの基盤である住まいへの支援がとりわけ重要だ」と強調。厚生労働省の検討会が住まいを失う恐れのある人向けに家賃補助を含め「普遍的な社会保障施策」の検討を提起したと指摘。厚労相が検討していくと答弁した家賃補助制度の創設について国に求め、都としても決断すべきだと迫りました。
 藤田都議はまた、都の補正予算が都民生活と営業の深刻な実態に照らし「極めて不十分だ」として、生活困窮者、失業者への現金給付やひとり親家庭の食料支援、国民健康保険料の負担軽減、子どもの医療費助成の所得制限の撤廃や完全無償化、学校給食費の無償化を求めました。
 小池知事は学校給食費の支援について「物価高騰の中でも、必要な栄養バランスを確保した給食で子どもたちの健やかな成長を支えることが重要」と答えました。
 藤田都議は物価高騰を価格に転嫁できない中小業者から、直接的な支援要望が強く出されているとして、都独自の事業復活支援金の支給などに踏み出すべきだと要求。小池知事は「円安によるコストの上昇等を踏まえ適切な下請け取引にかかわる支援などを行う」とのべましたが、直接支援への言及はありませんでした。

感染7波への備え
 藤田都議は新型コロナの感染第7波に備え、検査体制を強化するよう求め、全国で最も機動的にコロナ患者を受け入れてきた都立・公社病院の独立行政法人化の7月強行の中止を求めました。
 藤田都議は、小池知事が所信表明でコロナ対策の検査に言及がなかったと指摘。2020年末に集団感染が起きた障害者グループホームでは、都の集中的検査で感染の連鎖を断ち切ったことを紹介。学校現場でも「PCR検査の実施を広げ、子どもたちの安全な活動を最大限保障していくことが必要」だとして、PCR検査の拡大を求めました。小池知事は「検査を含めて、総合的に対策を進めていく」と答弁しました。

独法化強行
 藤田都議は小池知事が都立・公社病院の独法化で「安定的、柔軟な人材確保を行う」と述べたのに、先行して独法化した健康長寿医療センターでは常勤医師が大量離職し、いまだ補充できていないと指摘。「経営効率優先の独法化で、不採算の行政的医療が充実することはない」と強調。独法化中止を求める署名が40万人を超えたとし、「都民や病院職員の理解、納得がないまま独法化してよいのか」とただしました。
 知事は質問にまともに答えず、「(独法化後も)戦略的に運営し、都民の生命と健康を守り続けていく」と強弁しました。

重要課題で質問
 藤田都議は他にも、都立高校入試に「活用」する英語スピーキングテストの11月実施の再検討、教員不足の打開、ジェンダー平等と痴漢被害対策、パートナーシップ制度の改善と周知、若者支援策の拡充、防災対策における公助の拡充、外環道トンネル工事の事業認可取り消しとリニア新幹線の大深度地下トンネル工事の中止、神宮外苑再開発の都市開発決定の取り消し、気候危機打開に向けた都の取り組みなど、都の重要課題について質問、提案しました。

「未来に希望持てる政治に」 山添氏 参院選目前、全都を駆け
参院選の予想される日程(22日公示、7月10日投票)を目前に、日本共産党の東京選挙区予定候補の山添拓氏が、全都を駆け巡って支持を訴えています。
 渋谷駅前では10日、山添氏を応援する若手弁護士有志の会による街頭宣伝が行われ、山添氏も参加しました。
 「7月10日 憲法が、希望。」と大きく書いた横断幕や、「学費を半額に」「最低賃金時給1500円」「ジェンダー平等社会へ」などのプラカードを掲げてアピール。50人以上の弁護士が次々とマイクを握って訴えました。
 弁護士登録2年目という女性弁護士は、「深刻な労働相談が次々と寄せられます。働く人を大事にする社会になっていない。物価高騰のなか、国民の生活を支える国会議員が必要」と強調。また、別の男性弁護士は、「山添さんは、年越し相談村に毎回のように参加している。相談者に友人のように話しかけて、聞いてくれる。そういう国会議員がもっともっと必要で、必ず再び国会にいってほしい」と呼びかけました。
 山添氏は、「日本は長年、給料が上がらない国になってしまっている。アメリカでもヨーロッパでも最低賃金を引き上げ、1500円前後になっており、日本でもできるはずだ」と提起。また、高すぎる学費を引き下げることや、痴漢対策を進めることは政治の責任として、「政治は若い人に希望を届けるためにある」との訴えに、通りかかった若者が「そうだー」と声をあげたり、立ち止まって演説を聞く姿も多く見られました。
 偶然、通りかかったという大学教員の男性は、「学費を半額にとか、ジェンダー平等などの訴えは、本当にその通りです。心にしみて涙が出そうだったし、通りかかった若者からも、共感の声が上がっていた」と話していました。
 山添氏は11日~12日の週末、練馬、板橋、品川の各区、調布、狛江、町田、武蔵野の各市などをまわり、街頭で訴えました。

一分
 参院選へ、各党の選挙公約発表が相次いでいます。
特徴的なのが、与党やその補完勢力から、軍事費増の大合唱が起きていることです。自民党は、「5年以内に防衛力の抜本的強化」達成を公約。GDP比で2%以上と目標も明記して、軍事費の倍増路線を掲げました。公明党も8日、安全保障分野の重点政策を発表した記者会見で、政調会長が「専守防衛のもと、防衛力を着実に整備、強化する。その結果として、防衛費の増額ということは、当然のこと」と発言しました。
 維新の会が2日に発表した参院選政策では、「積極防衛能力」の整備を掲げ、「専守防衛の見直し」や「核共有」の議論も行うと明記しました。与党の安保政策を、さらに右翼的な立場から引っ張ろうとしています。
c自民党の公約通り、GDP比で2%以上の軍事費にするには約5兆円、消費税2%分に相当する増額が必要です。高等教育の授業料半減や入学金廃止、給付奨学金の拡充などに必要な予算が1・8兆円、年金削減や高齢者医療費の2倍化中止などに必要な予算0・3兆円と比べても、膨大さが分かります。
 自民党の参院選政策は、「憲法改正を早期に実現する」ことも掲げました。平和の道か、軍事対軍事の悪循環の道か、日本の命運がかかる参院選です。