参院本会議
侮辱罪の厳罰化と懲役・禁錮を廃止して「拘禁刑」を創設する改定刑法が13日、参院本会議で自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党の賛成多数で可決・成立しました。日本共産党と立憲民主党などは反対しました。(反対討論要旨4面)
討論で日本共産党の山添拓議員は、侮辱罪による現行犯逮捕について政府統一見解では「慎重な運用」「想定されない」とするが「最終的な判断は現場の捜査官次第だ」と指摘。北海道警やじ排除事件を警察庁がトラブル防止と強弁していることをあげ、「排除ありきの対応で、表現の自由や政治的言論への配慮は見えない」と批判しました。
さらに、これまでの審議で「『侮辱』の定義があいまいで恣意(しい)的な権力行使が可能だ」と指摘されたことを強調。仮に現行犯逮捕が起きた場合、「起訴されなくても自由な言論・表現への重大な脅威となり、萎縮効果が生じる」と批判しました。
「拘禁刑」創設については、国連が被拘禁者処遇の最低基準を示した「マンデラ・ルールズ」で「『拘禁刑』は自由の剥奪で、それ以上に苦痛を増大させてはならないとしている」としていることを指摘し、それは「改善更生や社会復帰という名で、受刑者に強制した時代があったからだ」と述べました。
その上で、戦前の日本では「治安維持法などのもと、再犯防止、再教育の名で転向を促す思想改造が行われた」と強調し、「特定の思想を強制することはあってはならず、法律上、懸念を残すべきではない」と主張しました。
(「しんぶん赤旗」2022年6月14日付より)