経済が紛争の“武器”に 経済安保法案で田村智子議員 首相 否定せず

日本共産党の田村智子議員は13日の参院本会議で代表質問を行い、経済安全保障法案についてただしました。(質問要旨4面)

田村氏は法案審議の前提として「経済安全保障」とは新興感染症などの非常事態時に経済を守ることなのか、「何から何を守るのか」と質問。岸田文雄首相は「定義はない」「基本的な価値やルールに基づく国際秩序の維持強化を目指す」と述べるだけでした。

田村氏は、経済安保法案づくりの有識者会議のメンバーでもある北村滋・前国家安全保障局長が「経済を安全保障政策の『力の源泉』として利用する」「経済的措置を武器代わりに使う」などと述べているとして、法案が国家間の争いに対する「力」「圧力」として経済的措置を取ることに他ならないと指摘して首相の認識をただしました。岸田首相は「同盟国、同志国との連携強化は重要」と述べ、否定できませんでした。

2018年に大川原化工機が中国の会社に生物兵器に転用できる装置を輸出したとして外為法違反容疑で突然強制捜査が行われた事件がありました。社長ら3人が逮捕されましたが、初公判前に起訴が取り消されました。田村氏はこの例をあげ、経済安保法制の下で誤認捜査や長期勾留による自白など人権侵害や経済活動の混乱が起きうるのではないかと指摘しました。

また、官民技術協力のために設置される「協議会」で研究成果の取り扱いについても政府と協議することとされ、政府の意向を反映できるようになる問題を追及。岸田首相は、「詳細な技術情報を公開せず、内部管理するよう政府が求める場合も例外的に想定される」と述べました。

(「しんぶん赤旗」2022年4月14日付より)