「労働者性」拡充を 参院予算委 フリーランス 吉良氏が求める

 日本共産党の吉良よし子議員は28日の参院予算委員会で、最低報酬額の設定すらなく働かされているフリーランスの実態を示し、生身で働く人間として労働者と同様に保護する仕組みが必要だと強調しました。

 吉良氏は、コロナ禍で大きな影響が生じているフリーランスの働く環境整備のため政府が立法を検討している「新たなフリーランス保護法制」について、「最低報酬は設定するのか」と質問。山際大志郎経済再生担当相は「事業者間の取引という性質がある」と述べ、設定しない考えを示しました。

 吉良氏は、フリーランスに仕事紹介を行うプラットフォーム「クラウドワークス」のウェブサイト上で時間単価300円で働き手を募集している発注者がいることを告発。「生活維持に必要な最低限の報酬額を定め、守らせることが政府の責任だ」と追及しました。岸田文雄首相は「時間単位で最低報酬額を出すことは、課題が多い」と述べるにとどまりました。

 吉良氏は、アマゾンやスーパーホテルで働く人の実態などを示して、名目上はフリーランスでも長時間拘束され指揮命令を受けているなど実質は労働者と変わらない働き方がまん延していると指摘。あまりにひどい労働環境だとして、労働基準監督署に訴えても労働者ではないと追い返された事例も取り上げ、「実態を調べ、是正いただきたい」と要求しました。首相は「しっかり対応しなければならない」と述べました。

 吉良氏は、雇用保険に入れず育児休業支援金をもらえないことから、産後すぐ働くことが常態化している問題で、「フリーランスといっても生身の人間だと認識しているのか」とただし、産休育休の保障制度の創設を求めるとともに「労働者」の枠を広げるよう要求しました。

(「しんぶん赤旗」2022年3月1日付より)