「独法化の理由は破綻」 都議会閉会 池川都議が討論 18歳医療無料化は否決

 都議会第4回定例会は15日、本会議を開き、年末年始の新型コロナ対策などを盛り込んだ一般会計補正予算(1047億円、全会一致)の他、全27議案を可決し、閉会しました。日本共産党都議団が提出した、子ども医療費無料化条例案2件は、自民、都民ファースト、公明、維新の反対多数で否決しました。

 日本共産党の池川友一都議は討論で、都が強行に押し進める都立・公社病院の地方独立行政法人化について、「定例会を重ねるごとに独法化する理由は、ことごとく破綻に陥っている」と指摘。小池知事が「行政的医療を将来も提供するため」と繰り返してきた説明が「都民を欺くものだった」と批判。その根拠として▽「地方独法」法で3~5年ごとに業務・組織の存廃を検討し措置を講ずると明記し、行政的医療がその対象に含まれる▽独法が住民監査請求や住民訴訟の対象外になる▽コロナ病床数の全国上位11病院が都立・公社病院―をあげ、「独法化する理由など、何一つない」とのべました。
 都は都立病院条例を廃止し、来年7月にすべての都立病院・公社病院を独法化しようとしています。これに対し、独法化中止を求める署名は25万人を超えるなど、都民運動が広がっています。池川都議は、こうした都民運動を紹介した上で、「今ならまだ止められる」とのべ、「都立・公社病院の独法化を中止し、抜本的に拡充するために、全力を尽くす」と表明しました。

新変異株対応
最重要課題に

 池川都議はコロナ対策について、「新たな変異株オミクロン株への対応が最重要課題」だとして、▽可能な限り全ての陽性者を対象にオミクロン株かどうかを調べる▽ワクチン接種の促進▽いつでも誰でも何度でも無料でPCR検査を行う▽モニタリング会議を週一回開催に戻す―よう提起。都民や事業者に対する独自給付金や住居確保給付金の拡充の実施を求めました。
 池川都議はまた、共産党が提出した、18歳までの医療費無料化条例案に関連して、都の調査で医療機関の受診抑制理由について「お金が払えない」と回答した割合が16~17歳では中学2年生の3倍になることをあげ、「貧困対策としても極めて重要」と強調しました。

巨大開発の
始動に警鐘

 都は「東京ベイまちづくり戦略」を打ち出し、臨海地域全体の巨大開発計画を始動させました。池川都議は「コロナ禍で都民の暮らしが深刻な中、新たな巨大開発を進めることは、許されない」と強調。気候危機にも逆行するとのべ、「かつての臨海副都心開発失敗への反省もなく、総事業費も示さず、バラ色に描いて既成事実にすることは、きっぱりやめるべき」と主張しました。

カジノ中止
請願を不採択

 市民団体が提出していたIR(カジノを中核とする統合型リゾート)の誘致中止を求める請願を、自民、都民ファ、公明、維新の反対で不採択としました。
 同請願は「市民と政治をつなぐ江東市民連合」(共同代表・宇都宮健児弁護士)が提出したもので、共産党、立憲民主、グリーンな東京、生活者ネットが採択を求めました。