年末へ 暮らし、雇用、営業支援を 感染抑制の具体策、検査拡充求める

新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、医療崩壊への危機感が強まるなか開かれた都議会本会議。コロナ禍から都民の命や暮らし、営業をどう守るのかを巡って、論戦が交わされました。日本共産党は、都政の役割の真価が問われているとして、感染拡大の抑制とコロナ禍から都民を守るための様々な提案を行うとともに、年末年始に向けた施策の拡充を求めました。

都議会代表質問 星見てい子都議が提案

検査の拡充で感染者を保護
星見てい子都議(目黒区選出)は小池百合子知事の所信表明に対する代表質問(8日)で、言葉では「都民の命を守り抜く」などと言いながら、感染拡大を防ぐ具体策を示さない小池知事に対し、新型コロナ感染第3波から都民の命を守る施策拡充を強く迫りました。
星見都議は「感染拡大を抑えるカギは、無症状の陽性者を早期に発見する検査の実施と、陽性者の保護、感染経路の追跡・調査」だと強調。小池知事が所信表明で陽性者の早期特定を言いながら具体策を示さなかったと指摘。PCR検査を無症状者にも広く行っている墨田区や世田谷区の対策事例を紹介し、1日当たり6万8000件に拡大したPCR検査能力も最大限に生かし、感染リスクの高い医療や福祉、介護施設の職員・利用者への一斉・定期的な検査の実施を提案しました。

保健所への支援を要望
星見都議は武蔵野、三鷹、小金井、調布の各市長をはじめ多摩地域の自治体から「保健所の人員を強化して」「保健所支所の増設を」「新たな保健所を設置して」などの意見が出ていると強調。知事も9月都議会で「保健所のあり方を検討」と答弁したことをあげ、保健所の増設、拡充を求めるとともに、積極的疫学調査の人員を緊急育成し、保健所を支援するよう求めました。
初宿和夫・健康危機管理担当局長は、「保健所設置区市の積極的疫学調査を担う保健師、看護師の雇い上げ経費を支援していく」と答弁しました。
星見都議はまた、医労連の調査では、加盟する組合の44%が、冬のボーナスが減額になると答えていることをあげ、コロナ禍で減収・赤字を抱えたまま第3波に対応している医療機関が経営を維持できるよう、新型コロナ患者の受け入れ病院とともに、一般医療・地域医療への都の独自補助を提案しました。

生活、営業に支援求める
星見都議はコロナ相談会で寄せられた業者の切実な声を紹介し、第2弾の持続化給付金や助成金の支給期間の延長、補償とセットの自粛要請、国と協力して中小企業に一律50万円の年越し給付金の支給などを要求。年末に向けて解雇・雇い止めが拡大する恐れがあるとして、ワンストップで相談に応じるなど特別の体制整備も求めました。
しかし小池知事は、中小企業支援について、「事業を継続できるよう適切に支援していく」との答弁にとどまりました。

住まいは生きる土台
とくとめ都議 確保の支援求める

とくとめ都議(板橋区選出)は一般質問(9日)で、コロナ禍で住まいを失う人や失いかけている人が急増していることを指摘し、「何よりも大切な都民の命を守りぬく」と述べた小池知事の「覚悟と都政の真価」が問われていると強調。「都民の住まいを守りぬき、住まいを失う都民を1人も出さないという立場に立つ必要がある」として、都独自の補助や都営住宅の活用など、生活に困窮する人たちへの支援を求めました。
とくとめ都議は「住まいは生活の基盤であり、生きていく上での土台だ」とのべ、小池知事の認識をただしました。知事は「生活や住居に困窮している人への住まいや就労のサポートは感染症対策と共に重要だ」と答えました。
住まいのセーフティーネットとなっている住居確保給付金(原則3カ月、最長9カ月)の利用は、都内では昨年度の約70倍に急増し、全国の3割以上を占める最多の3万4000人にのぼっています。
とくとめ都議は、共産党や支援団体が求めていた同制度の支給期間延長を厚生労働省が発表したことを評価した上で、一回限りとなっている給付を再度給付できるようにすることや、同制度の給付基準となる生活保護の低すぎる住宅扶助基準額の引き上げなどを国に要望するよう主張。あわせて住居確保給付金に都独自に上乗せして給付するよう提案しました。

年越し期の相談体制
とくとめ都議は、年末年始の役所の閉庁期間でも相談に応じられるよう「区市町村と連携し、切れ目なく相談を受けられるよう体制を整えることが求められる」と質問。
吉村憲彦福祉保健局長は「福祉事務所等の年末年始の相談体制の確保など地域に応じて対応するよう区市に通知した」と答弁。「総合的な相談窓口であるTOKYOチャレンジネットを活用し、関係機関と連携して対応していく」と答えました。
また、とくとめ都議は都が住まいを失った人へ年末年始にビジネスホテルなどの緊急宿泊場所を提供することについて、多様な手段で広く広報するよう要求。吉村局長は、「都のホームページやSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)等により広く周知する」とのべました。