自由圧殺 黙らない / 首相の学術会議人事介入

官邸前で市民抗議

菅義偉首相による日本学術会議への人事介入に対する緊急抗議が3日、首相官邸前で行われました。市民有志の呼びかけで300人(主催者発表)が集まり、多くの学者も参加。「学問の自由を守れ」などのプラカードを手に抗議しました。


(写真)日本学術会議への人事介入に抗議する人たち=3日、首相官邸前
(写真)日本学術会議への人事介入に抗議する人たち=3日、首相官邸前

任命を拒否された6人の1人、岡田正則・早稲田大学教授は、日本学術会議法の趣旨から見ても首相に裁量の余地はなく撤回すべきだと指摘。「政治と学術の関係を壊す問題であり、攻撃されているのは日本の学問全体です」と語りました。

法政大学教授で作家の中沢けいさんは「あいちトリエンナーレ」の補助金交付取り消しにもふれ、「日本の学術・文化を破壊するような問題が、まともな説明すらなく行われ続けている」と批判しました。

9月まで日本学術会議会員を務めた本田由紀・東京大学教授は、菅首相が6人を任命しなかった理由は何があっても問いたださないといけないと強調し、「なぜなら、それは不当な理由だからです」と強調しました。

前日夜にツイッターで抗議を呼びかけた1人、小原隆治・早稲田大学教授は「学問の自由だけでなく法治主義や立憲主義を破壊する問題です。安倍政権の悪い所をすべて引き継いで実行している菅政権に黙っていてはいけない」と訴えました。

学生・院生もマイクを握り、東洋大学3年は、「1人の学生として許せないと思って来ました。学生らが中心になって8日に官邸前抗議を呼びかけます」と述べました。

(2020年10月4日付「しんぶん赤旗」より)