宇都宮陣営 共闘の力発揮で勝利へ

銀座 野党党首が共にマイク

 都知事選(5日投開票)で、宇都宮けんじ候補(日本弁護士連合会元会長)をなんとしても都知事に押し上げよう─市民と野党の共闘がかつてなく大きく広がっています。選挙戦ラストサンデーとなった6月28日は、銀座歩行者天国(中央区)で行われた街頭演説に、立憲民主党の枝野幸男代表、日本共産党の志位和夫委員長、社民党の福島みずほ党首に加え、前首相の野田佳彦衆院議員も駆けつけ、宇都宮候補を前に次々マイクを握りました。

都知事選・都議補選5日投票
命、暮らし守る一票を

 直前まで降っていた雨があがり、足を止めた大勢の聴衆が傘を閉じて訴えに聞き入りました。時に大きな拍手や声援が湧きました。
 社民党の福島党首は「強くて優しい宇都宮さんをみんなの力で都知事にしましょう」、共産党の志位委員長は「自己責任を強いる小池知事ではなく、社会的連帯でいい世の中をつくる宇都宮さんを勝利させよう」と呼びかけました。
 立憲民主党の枝野代表は「運悪く感染した人も倒産した人も暮らしていける社会、行政を取り戻さないとコロナ危機は乗り越えられない」と強調しました。

野田元首相も「右バッターとして」

 「困った人に寄り添い、都の組織、権限を使い仕事ができるのは宇都宮さんしかいない。“右バッター”として最後まで宇都宮さんを応援する」。こう訴えたのは野田前首相です。野田氏の迫力ある訴えに、登壇当初に流れた微妙な緊張感が吹き飛び、大きな拍手が起こりました。
 野田氏は共産党の志位委員長から応援演説にと誘われ、「宇都宮陣営から見ると、自分の政策カラーが合わないのではと、ためらった」ことも明かしました。
 志位氏は「野党の共闘が力を発揮している」とのべ、野党応援の輪の広がりを強調。最大の争点はコロナ対策だとし、小池知事は五輪を優先させ、PCR検査などまともな対策をせずに市中感染を広げたと指摘。また「東京アラート」解除後に感染者が増加しているとして、「いったい何のための東京アラートだったのか」と批判しました。
 さらに「東京アラート」に代わる新たな対策もなく「自衛」に任せているとし、「新型コロナから命と暮らしを守る抜く1票を宇都宮けんじさんにお寄せください」と呼びかけました。

都立病院の独法化 中止し拡充する

 選挙でますます元気になったという宇都宮候補は、「都民一人ひとりの生存権がかかった選挙。頑張り抜く」と力強く訴えました。
 宇都宮候補は新型コロナウイルスの感染拡大防止で、小池知事の対応の遅れや不十分さ、備えを怠ってきたことを指摘。さらにコロナ対策の最前線で頑張ってきた都立病院・公社病院を民営に近づける独立行政法人化しようとしていると批判。
 今後の感染拡大に備え、保健所の拡充やPCR検査体制の抜本的強化、都立・公社病院の独法化を中止し、充実すると提案。そのための予算は外環道や特定整備路線などの大型道路建設計画を見直すことなどでまかなうとしました。