【BS番組で小池書記局長が訴え】早急なPCR検査拡大を国の責任で予算つけよ  

日本共産党の小池晃書記局長は23日夜放送のBS―TBS番組「報道1930」で、新型コロナウイルス感染拡大の防止のため、感染を判定するPCR検査の大量実施を国の責任で行うよう訴えるとともに、徹底した情報公開や対話によって国民の理解と納得をえて施策をすすめる重要性を強調しました。

「報道1930」に出演する小池晃書記局長(BS―TBS番組より)
「報道1930」に出演する小池晃書記局長(BS―TBS番組より)

小池氏は、慶応大学病院が今月中旬に行った新型コロナ以外の患者67人の手術や入院に先立つPCR検査で約6%が陽性となった結果について、「サンプル数は少ないが衝撃的な数字だ。都内で数十万人の規模で感染力のある人がいる可能性がある」と指摘。
「条件のある病院が入院時に検査することは、市中感染のメルクマール(指標)になり、院内感染を防ぐ意味もある。入院や手術の際のPCR検査も保険適用すべきだ」と提案しました。

誤りの説明こそ

政府の専門家会議が22日、保健所を介さず「PCR検査センター」などでの検査拡大を提案したことを受け、司会の松原耕二氏は「今ごろになってだが、大きな方針転換ではないか」と質問。

小池氏はそのとおりだと述べた上で、「政府は、これまでの対応の誤りを認め、なぜ転換したか国民に説明すべきだ。保健所がパンク状態のなかで保健所を介さない仕組みは当然だ」と強調。
一方で現在の検査拡大方針は医師会頼みで、その負担が大きすぎるとして「国が予算をしっかりつけて転換すべきだ」と主張しました。

解説者の堤伸輔氏(国際情報誌『フォーサイト』元編集長)は「本来は国主導で検査を拡大すべきだ」と批判しました。

また小池氏は、陽性患者の自宅療養の増加について、「宿泊療養施設で過ごすことを原則にし、やむをえず自宅療養の場合は医師や保健師による十分なフォローアップが必要だ」と述べ、「広域連携でホテルなどの施設を確保すべきだ」と提案しました。

対策徹底の台湾

番組では台湾での感染拡大への対策―迅速な専門家会議設置やマスクの販売管理などを紹介。

田村憲久元厚生労働相(自民党衆院議員)が「(台湾では)法律による私権制限がある。日本でもマイナンバーカードがあればすぐにマスク配布はできた」と強弁したのに対し、小池氏は「マスク配布にマイナンバーカードは必要ない」ときっぱり否定し、「日本と戦略がまるで違う。きちんと補償をし、高官が毎日、質問が尽きるまで記者会見を行ってリスクコミュニケーションを徹底している。学ぶことは多い」と述べました。

小池氏は、中継で出演した「毎日」の福岡静哉台北特派員に「行政に対する市民の信頼が土台にあるのではないか」と質問。

福岡氏は、台湾では防疫のために一定の私権制限があるものの、民主主義との両立のため、行政が徹底した情報公開などの説明責任を果たしていると指摘し、「有権者の厳しい監視の目が危機管理の前提にある」と応じました。

最後に、小池氏は視聴者からの保健所削減についての質問に、「保健所数はピーク時の半分だ。歴代自民党政府が公衆衛生施策を後退させてきたことが現在の状況の根底にある」と答えました。

(2020年4月25日付「しんぶん赤旗」より)