大学授業料減免 1.3万人が対象外に

2019年11月5日

学生団体 FREEが維持を要請
 安倍政権が来年度から導入する大学などの修学支援制度と引き換えに、国立大学の授業料減免制度が廃止され、これまで減免を受けていた人たちが対象から外れる問題で、学生たちが18日、現在の支援対象や規模を後退させないよう文科省に要請しました。取り組んだのは、「高等教育無償化プロジェクトFREE」です。

 現在の各大学の減免制度では、中所得世帯も対象としているのに対し、新制度は住民税非課税世帯とそれに準じる世帯に対象を限定します。さらに、新制度は高校卒業後2年間までに対象を限っています。これにより、文科省の集計で、現在、減免を受けている学生約4.5万人のうち、2.4万人の支援額が減少すると見られています。このうち1.3万人は、減免そのものが受けられなくなります。
 参院議員会館で行われた要請で、学生たちは「これまで受けていた減免が受けられなくなることは、在学生にとっては死活問題になる。授業料減免を頼りに進学を考えていた受験生にとっても、対象外になることは大きな問題だ」と指摘し、対象範囲を後退させないよう求めました。また、夜間の大学に通う学生は、対象を高卒から2年間までに限定したことを「さまざまな事情で、一度、働いてから学びなおす学生もいる。多様な学びを支援してほしい」と語りました。

 この問題をめぐっては、日本共産党の小池晃書記局長が参院代表質問(9日)で対策を求めたのに対し、安倍首相は「継続的な学びを支援する観点からいかなる対応が可能か、来年の制度施行に間に合うように、早急に検討する」と答えました。文科省の担当者は、FREEの要請に、「首相の答弁を踏まえた対応をすすめたい」と述べました。
 要請には、共産党の山添拓、吉良よし子両参院議員が同席しました。