羽田新飛行ルート 白石たみお都議に聞く ㊦
 世界の大空港では、安全確保、騒音防止、地域との共存を重視するのが流れです。羽田空港の歴史も、紆余曲折はありましたが、空港と地域がともに共存していくために、飛行ルートは運動とたたかいでかち取られてきたと言えます。
 実際、羽田空港の機能強化は、航空機騒音の負担軽減など、地域住民の生活に配慮することを前提に進められてきました。例えば沖合展開事業では、航空機を内陸に飛ばさないように沖合に滑走路を移設することで、東京湾を最大限活用したルートが確立されました。それでもなお、現行ルート直下の大田区、江東区、江戸川区では、航空機騒音をはじめ、航空機からの落下物や事故の危険性、大気汚染などに、住民は現在も苦しめられています。

負担軽減検証こそ
 実施が決まった新飛行ルートは、こうした歴史の重みを理解せず、反故にするものです。機能強化をするにしても、羽田の歴史を振り返り、教訓をくみ取って、生かすことが重要ではないでしょうか。
 その際、大事なのは住民の命と安全を最優先にする立場に立ち、まず都心上空を飛行する危険な新ルートは白紙撤回することです。そして、住民が今苦しんでいる負担をいかに取り除くかという議論や検証を本格的に進めることです。
 ところが都からは、都民の命や安全よりも国際競争を上におくかのような重大な発言がありました9月議会で「国際競争力やオリパラ(オリンピック・パラリンピック)大会を理由にすれば、何でも許されるのか」との、わが党の代表質問に、都は都民の安全への配慮はいっさい示さず、ただ「東京、ひいては日本の国際競争力を向上させていくためには、容量拡大による機能強化が必要不可欠」だと答えたのです。

滑走路新設計画も
 あわせて9月議会では、都が都心上空ルートの飛躍的増便につながりかねない新滑走路の増設に向けて、国と本格的な協議に着手する方針を固めているのではないかと追及しました。都は「仮定の質問には答えられない」とごまかしましたが、否定はしませんでした。
 実際、都の「東京と日本の成長を考える検討会報告書」(2018年10月)では、整備費用と経済波及効果の推計値まで示し、新滑走路の整備に言及しています。
 このような事実を隠して、新飛行ルートの運用開始を決めたのなら、地元自治体や住民への背信行為であり、この点からも新飛行ルート計画は白紙撤回しかありません。