都教委 「通知」 黒染め一律指導しない

高校生が都政動かす
 高校生の声が都政を動かしました。都教育委員会は4日、生徒の人権尊重の立場から「生来の頭髪を一律に黒染めするような指導は行わない」とした「通知」を、都立高校・中等学校(中高一貫校)の校長に出したことが分かりました。当事者である都立高校の女子生徒が訴え、共産党の池川友一都議が議会で取り上げた質問などが大きな力になったものです。「通知」の内容と意義について、池川都議に聞きました。

共産党 池川友一都議に聞く

 ―黒染め問題を取り上げたのは6月議会でしたね。
 池川 一般質問で、子どもの権利と意見表明権について都をただした中で取り上げました。女子生徒(クルミさん)が、生まれつきの髪の色を黒く染めてくるようにと指導され、髪を染めてくるか、切らなければ授業を受けさせないとまで言われた問題です。これは重大な人権侵害であり、指導として不適切ではないかと指摘しました。
 頭髪のあり方に指導について都教委は、今年4月、「頭髪に関わる指導の在り方について」という通知を出しました。そこでは、頭髪指導が生活指導の一環であり、髪の毛が茶色の場合は任意の届け出ができることを周知し、理解を得るようにとのべています。すでに、今回の黒染め問題が起きていたからなのでしょう。2017年の「通知」を出し直したものでした。
 9月の新しい「通知」が出されたのは、共産党が黒染め問題を議会で取り上げ、新聞も相次いで報道しました。ネットでも、黒染め強要反対署名が1万9千人から集まったことなども背景にあったと思いますが、一番大きいのは、当事者の女子高校生と保護者が声をあげたことだと思います。

人権貫く「通知」
 ―画期的な「通知」だと。
 池川 4つの点で画期的です。その一つはタイトルに「人権尊重の理念に立った生活指導の在り方」と書かれたことです。「人権尊重の理念…」と書かれることは珍しく、「質的な変化」だと思います。
 前文に頭髪などの生活指導を行う際、「生徒一人一人の状況を踏まえ、学校と生徒、保護者との信頼関係を構築し、丁寧に対応することが必要」と書かれています。こういう基本的なスタンスで「通知」が出されたこともとても大事です。
 2つめは、「生徒指導の在り方」の1番最初に「問題行動に対する指導を含め、すべての教育活動は生徒の人権の尊重を基本として行うこと」を掲げています。子どもですから、失敗や間違うことがあったとしても、学校生活のあらゆる場面で、「生徒の人権の尊重」を生活指導の基本として徹底されることは重要です。
 3つめは生徒指導を行う際には「校則を機械的に運用することなく」という規定が入っていることです。学校現場では「校則にあるから」「決まっているからだめだ」という指導が結構行われていますが、「なぜだめなのか」と生徒が聞いたら「口答えするな」「決まっているものは決まっている」と生徒の「なぜ?」に答えられないのです。その意味で、機械的に運用しないとした点は重要です。
 4つめは「頭髪に関する指導」については、「生来の頭髪を一律に黒染めにするような指導は行わないこと」と明確に書きました。解釈の余地がありません。

全ての教育活動に
 ―徹底されるべきですね。
 池川 全ての教育活動は、生徒の人権を尊重して行うのが基本だということですから、生徒たちと一緒になって学校のルールをよくしていく方向に生かせる「通知」ではないでしょうか。頭髪指導にとどまらないところが、この「通知」の肝です。中学校や小学校にも適用され、区市町村の教育委員会も、このようなスタンスで子どもたちと関わることにつながってほしいと思います。

 頭髪の黒染め問題 昨年7月、父親を通じて共産党の原のり子都議に相談が寄せられる。3年生の女子生徒が始業式で問題にされて授業に出られず、「特別指導」を受けた。その後、女子生徒と学校側が話し合い、学校側が謝罪。黒染めの指導が撤回される。