豊洲百条委設置で合意

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石原元都知事、東京ガス会長喚問を

“真相究明に全力”大山幹事長

東京都議会の議会運営委員会は20日の理事会で、築地市場(中央区)の移転先としている豊洲新市場(江東区の東京ガス工場跡地)をめぐる問題を解明するため、地方自治法100条にもとづく調査特別委員会(百条委員会)を設置することで合意しました。


日本共産党都議団が昨年9月から繰り返し提案してきたもので、都議会第1回定例会が開会する22日の本会議での議決に向け協議することになります。

共産党都議団は6日、百条委の設置と、豊洲移転方針を決めた石原慎太郎元知事、東京ガスとの交渉に直接あたった浜渦武生元副知事、岡本毅東京ガス会長ら19人の証人喚問を議長と各会派に申し入れてきました。

この日の理事会では、すでに提案している共産党、「東京改革」(民進党系)に加えて自民、公明両党も百条委設置案を提出。今後、調査事項や、現在ある豊洲市場移転問題特別委員会との関係をどうするかなどについて協議します。

共産党都議団の大山とも子幹事長は「自公両党を含めて百条委の設置で合意したことは、豊洲移転問題の解明に向けて重要な前進です。真相解明を求める都民の世論が都議会を動かしたものです。都民の声にこたえて真相を究明するため全力で頑張ります」と話しました。


解説

世論と党都議団が動かす

食の安全・安心を何よりも大切にしなければならない生鮮食料品を扱う市場を、なぜ、高濃度の有害物質で汚染された東京ガス豊洲工場跡地に移転するのか―。疑惑の真相究明を求める都民や市場関係者の運動と世論、日本共産党都議団の粘り強い調査、追及、提案が、百条委員会の設置へと都議会を大きく動かしました。

昨年9月、豊洲新市場の主要施設の地下で、土壌汚染対策として行うはずの盛り土が行われず、地下空間を造っていた問題が共産党都議団の調査で発覚しました。

共産党都議団は「都政の信頼回復に都議会が果たすべき役割と責任はきわめて重大。真相の全面的究明のためには、証人が正当な理由なく出席拒否できず、偽証罪をも問える強制力を持つ百条委の設置が不可欠だ」として、繰り返し提案しました。

昨年10月の都議会で、自民党、公明党、民進党系2会派(現「東京改革」)、生活者ネット、かがやけ(現・都民ファーストの会)などは、共産党が提出した百条委設置動議に反対しました。

その後、今年1月14日に公表された第9回地下水モニタリング調査で環境基準の最高79倍のベンゼンが検出されるなど201カ所中72カ所で基準を超過しました。百条委設置に反対していた会派も方針転換せざるを得なくなり、民進系も百条委の設置を要求。自民党の都議57人中11人が百条委設置を求める声をあげ、百条委設置に反対してきた自公両党も、ついに設置に賛成せざるを得なくなりました。

都議会での百条委設置は、2005年に都の福祉教育施設の運営をめぐる問題以来です。

豊洲新市場移転方針を強引に決めた石原慎太郎元知事や浜渦武生元副知事、岡本毅東京ガス会長らを証人喚問し、事実を明らかにすることが求められています。(東京都・川井亮)

(「しんぶん赤旗」2017年2月21日付より)