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東京・豊洲新市場の観光施設 着工の見通し立たず

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東京都は築地市場(中央区)を江東区豊洲に移転し、2016年11月に新市場を開場する計画に合わせて、食と観光の拠点「千客万来施設」を同時開場する計画です。しかし、受託企業との調整が難航し、予定していた今年3月までの着工が間に合わない見通しが8日、本紙の取材で明らかになりました。(岡部祐三)


 受託企業と調整が難航

同施設は、すしチェーン「すしざんまい」の喜代村(本社・東京都、資本金9800万円)と大和ハウス工業(同・大阪市、資本金1616億円)が新市場用地の一部1.7ヘクタールを30年間事業用定期借地方式で借りて、延べ床面積6.5ヘクタールの施設を建設し運営する計画です。都は年間1億3600万円の賃料収入を当て込んでいます。

都中央卸売市場の公募要綱では、事業者決定(14年2月)の翌月に都と事業者が基本協定と事業用定期借地権設定契約のための覚書を締結し、市場施設本体工事と同じ16年3月に完成する予定でした。

本紙の取材で事業者からの事業計画は越年しても未提出で、基本協定や覚書、土地賃借契約などの締結や着工時期も不明であることがわかりました。

都中央卸売市場・新市場整備部は「事業者と打ち合わせをして、事業の内容について少しずつ聞き取っている段階だ。協定書や契約はできるだけ早く結びたいと考えているが、まだ事業者間で調整中だと聞いている。予定時期を過ぎているので、(回答を)お待ちしている」と話します。

一方、代表企業の喜代村は、建設費高騰が課題になっているとし、「都には貸し付け条件も含めてたくさんのことをお願いしている。具体的な内容をお話しできる状況にない」としています。

築地市場移転は問題山積

東京都は千客万来施設を「豊洲新市場の魅力向上」などとPRしてきました。

水産仲卸売市場棟を整備する6街区に豊洲場外市場140店舗、1000席の飲食店、首都圏最大級の温浴施設、青果棟の5街区は調理器具の専門店などを出店し、年間計420万人の来場を見込んでいます。

豊洲新市場予定地は、場外市場でにぎわう築地市場とは異なり、交通の便が悪いうえに土壌汚染対策に対する不安の声が強く、「食品を扱う市場としてはふさわしくない。築地市場で再整備した方がいい」との意見が市場関係者や消費者からあがっています。

都の事業者公募には三菱地所グループも応募しましたが、同グループは途中で辞退しています。

市場関係者の間で「大和ハウスが撤退するのではないか」などの噂が流れていますが、赤旗の取材に都と事業者はいずれも否定しました。

大和ハウス工業本社・広報企画室は「喜代村さんとさまざまな打ち合わせをしているので、明確な回答は難しい。現在の段階ではお答えできない」とし、喜代村は「撤退という話は大和ハウスさんから聞いていない」と否定しています。

事業者が検討しているといわれる計画変更について、都側は「大幅な変更は受け入れられない。開場時期も市場本体と同時でないと、事業目的は達成できない」といいます。

豊洲新市場計画をめぐっては、深刻な土壌汚染と都の対策の欠陥、高騰する汚染対策費用と整備費、非効率的な施設・物流計画に加え、移転を断念し廃業する仲卸業者が多数出ることが予想されるなど、問題が山積しています。

千客万来施設計画を大幅変更すれば、30年間で40億円余の土地賃料収入を見込んでいた市場会計にも影響が生じることになります。

(「しんぶん赤旗」2014年1月9日付より)