現市政 サービス削減・疑問の声も

東京都清瀬市長選(22日告示、29日投票)では、住民が主人公の市政を実現しようと市民団体が結成され、日本共産党市議の原田ひろみ氏=無所属=を擁立したたかっています。図書館廃止など市民サービスの削減の一方、必要性に疑問符がつく事業も推進してきた渋谷佳司現市政。不自然に多い出張旅費の支出も指摘されています。
閉館でも経費増
清瀬市では昨年3月末に地域図書館が廃止され、市内に6館あった図書館が3館になり、宅配サービスが始まりました。
市は「全国初!」「おうち図書館」などと宣伝しますが、市民からは「使いにくい」「子どもだけで本を借りられない」との声が上がっています。
蔵書は約5万点減りました。本は約36万冊のうち約23万冊が市民が本棚から直接手に取れない閉架図書となりました。
経費も上がっています。6館体制だった23年度の予算は約2億9千万円でしたが、26年度には4億3千万円となりました。
廃止の計画は市民に明示されないまま進みました。
24年の2月に市議会に廃止案が出されたことで、共産党市議団が急いで市民に知らせました。多くの市民が抗議しましたが、3月に自公などの賛成多数で可決されました。
市民は、図書館の存廃を問う住民投票を実現させようと運動を広げ、約1カ月間で、直接請求に必要な署名数の約6倍以上を提出。しかし渋谷市長は、「必要ない」と主張し、自公多数で否決されました。
2億円超の車両

「無駄遣いでは」—。市民から疑問の声が上がるのが、2億円超をかけて市内の中央公園に設置された、豪華客車「夢空間」の食堂車とラウンジカーです。「清瀬とは縁もゆかりもない車両だ」といぶかる声も聞かれます。
公園の一角に、それぞれ緑と赤を基調とした2両が展示されています。敷石にレール、駅ホームと屋根もそろいます。
市の資料によると「夢空間」は2008年に老朽化で営業運転を終え、埼玉県内の商業施設で展示されていました。市は「にぎわい創出の核」として、商業施設の運営企業から無償譲渡を受け、25年1月に現地に搬入しました。
問題の一つは費用。議会の質疑によると、移設費が3800万円、車両の修理費が約1億円、屋根とホームなどの建設費用が8000万円とされます。
費用に充てるとしてクラウドファンディングを2回実施しましたが、合計2000万円のもくひょうにたいして寄せられたのは854万円でした。
公費で鉄道三昧
共産党市議団が行った公文書開示請求によると、渋谷市長自身が3年間で計31回も視察へ行き、うち16回が鉄道施設を視察しています。前市長の特別旅費の予算は年間50万円だったのに対し、350万円に増加。20道府県以上を回り、各地のプリンスホテルを利用しています。
行程表によると23、24年度には全国の鉄道関連施設、30カ所以上(のべ)を視察。SL乗車や広島電鉄111周年記念事業にも参加しています。
清瀬市から空港までの送迎や、関東などの視察には公用車を使っています。北海道には計4回訪れており、長い時には4泊しています。
旅費請求書によると、2年間で14万円以上の手当てが出ています。寝台列車を使った出張で、1人5万円の「鉄道費」を請求したことも。市のホームページにある市長日誌には、官民問わずさまざまな行事が掲載されていますが、鉄道視察についてはありません。
本紙は、渋谷市長の出張が増えた理由や、鉄道施設への視察が多い理由、市長日程について、市に質問しました。担当者は「お答えできません。申し訳ございません」と繰り返します。
原田氏は「情報公開を徹底し、市民のみなさんとちゃんと会話し、声を聞く市政にしたい」と語ります。
(「しんぶん赤旗」2026年3月18日付より)

