NHK「日曜討論」 小池書記局長が主張

日本共産党の小池晃書記局長は16日、NHK「日曜討論」に出演し、自民党と日本維新の会が狙っている社会保障の4兆円削減と、世代間対立をあおる議論を厳しく批判しました。
各党が医療費削減を主張する中で、小池氏は「日本の社会保障支出は、国際的にみても決して多くない」と主張。日本より高齢化率が低いドイツ、フランス、英国、米国、スウェーデンなどよりも日本の社会保障支出は少ないと指摘し、「(日本の)経済力からすれば十分に支えられるはずだ。それなのに政府は、社会保障給付をさらに減らそうとしている」と批判しました。
小池氏は、OTC類似薬の保険外しなど、社会保障給付を減らせば「消費も雇用も冷え込んで、経済はますます縮小していく」と主張。医療や介護で働いている人が、将来には1000万人を超え、労働者の5人に1人となるとして、「ケア労働者の賃上げは、日本経済にとってもプラスになる。だから減らす、抑えるという議論ではなく、必要な医療はしっかり保障し、ケア労働を公的に支え、経済発展の原動力にしていく考え方が必要だ」と強調しました。自民党の田村憲久・社会保障制度調査会長も、「おっしゃる通り」と言わざるを得ませんでした。
さらに、小池氏は医療費の自己負担について、「高齢者が優遇されている」という主張を批判。「今75歳以上の方は、原則1割の窓口負担だが、負担額は年間7万円から9万円。現役世代の2倍から3倍を負担している。これを『原則2割』とか『3割』にすれば、世代間の公平どころか不公平が拡大してしまう」と指摘しました。
小池氏はさらに、「現役世代の多くは高齢の家族を支えている。高齢者の負担増は現役世代の負担に直結する。現役世代の保険料の抑制は必要だが、そのために給付を削減すれば、病気になったとき現役世代も大変な負担となる」と主張しました。
小池氏は、日本医師会の松本吉郎会長が「分断をあおっていることが社会の不安定につながっている。社会格差と健康格差を生まない社会にしていかなければならない」と発言していることを紹介。「高齢者と現役世代を対立させるような議論の立て方はやめるべきだ」と強調しました。
小池氏は、米トランプ政権が要求する国内総生産(GDP)比3・5%の軍事費は、医療保険への国庫負担の2倍になると述べ、大軍拡を中止し、医療への国庫負担を増やすべきだと主張しました。(詳報)
(「しんぶん赤旗」2025年11月17日付より)
